プレスリリース
ギャバ(γ-アミノ酪酸)の多い糖質米「あゆのひかり」の発芽玄米入り「おにぎり」、「おはぎ」の開発

情報公開日:2006年2月27日 (月曜日)

独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構  中央農業総合研究センター北陸研究センター
独立行政法人 食品総合研究所
株式会社いかりスーパーマーケット
有限会社応用栄養学食品研究所

要約

独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構中央農業総合研究センター・北陸研究センターでは独立行政法人食品総合研究所および有限会社応用栄養学食品研究所と共同で、ギャバ(γ-アミノ酪酸)の多い糖質米「あゆのひかり」の発芽玄米入り「おにぎり」、「おはぎ」を開発しました。これらの製品は、株式会社いかりスーパーマーケットで販売が予定されています。

研究の背景とねらい

国民の健康志向の高まりから、ギャバ(γ-アミノ酪酸)を含む食品の需要が高まっております。発芽玄米を白米に混ぜて炊飯すると多くのギャバが摂取できますが、普通品種の発芽玄米を30%混ぜ込んでおにぎりを作ろうとするとギャバが多いものの、粘りが保てず、おにぎりが型崩れしてしまい製品化が難しい状況でした。また、30%を混ぜると現代人にとっては食味、消化の点で問題があります。

製品の特長

水溶性多糖を蓄積する糖質米品種「あゆのひかり」(写真1)の発芽玄米は、普通品種の3倍程度のギャバ(図1)を含みます。同じギャバの量を確保するのに、普通品種の3分の1である10%の混入量ですみ、おにぎりの型崩れを防ぐことができ食味や消化性を改善できます。さらに、「あゆのひかり」の発芽玄米は独特の甘みとプチプチした食感があり、白米のもちもちした食感とともに、機能性を維持しながらおいしく食べられる発芽玄米入りおにぎり、おはぎ(写真2)ができました。

成果により期待される効果

現在、発芽玄米は、年間1万5000トンの流通量と150億円を超える市場を形成するに至っております。「あゆのひかり」は当面、契約栽培で生産し、発芽玄米入りおにぎり、おはぎとして、いかりスーパーから販売される予定です。これらの製品化により、一層の発芽玄米の消費拡大が図られ、米の需要が増加することが期待されます。


詳細情報

図1 あゆのひかりとコシヒカリの発芽玄米におけるギャバ含量(平成17 食品総合研究所)
図1 あゆのひかりとコシヒカリの発芽玄米におけるギャバ含量(平成17 食品総合研究所)
・発芽玄米は、玄米が完全に見ずに浸かる状態で、30°C、24時間で調整した。
ギャバ含量はアミノ酸分析計(日立、L-8500A)により測定した。

写真1 「あゆのひかり」の籾と玄米
写真1 「あゆのひかり」の籾と玄米
左:あゆのひかり 右:コシヒカリ

写真2 発芽玄米入りおにぎり 写真2 発芽玄米入りおはぎ
写真2 発芽玄米入りおにぎり、おはぎ