要約
独立行政法人農業技術研究機構・中央農業総合研究センター(中央農研)はタイ国立電子コンピュータ技術センター(NECTEC=National Electronics Computer Technology Center、http://www.nectec.or.th/eindex.php)と農業における情報技術利用等に関する共同研究について2003年5月28日午前11時(日本時間)より包括的な覚書を締結します。調印式は両研究所をインターネットビデオ会議システムで結んで行います。
NECTECはタイ科学技術開発庁傘下の情報技術研究所で、東南アジア地域を代表する研究機関として、農業農村情報化や気象災害等の環境情報技術など幅広い応用分野を対象に研究開発を進めています。また、中央農研では農業情報研究部を中心に情報技術の農業や農村への応用について研究開発を推進しています。
両研究所は、アジア太平洋高度ネットワーク協議会(APAN)やアジア農業情報技術連盟(AFITA)などの活動を通してこれまで情報交換を続けてきました。その中で、双方が必要としている情報技術には共通点が多く、相互に技術協力することで、多くの研究成果を両国の農業・農村へ波及させることが期待されることから共同研究を進めることになりました。
共同研究では、中央農研のインターネット上に分散するデータベースとプログラムを連携させる技術や無線LAN式の環境モニタリングシステム技術と、NECTECのインターネット地理情報システム技術や多言語機械翻訳技術などを組み合わせることで、全く新しい農業向けグリッド技術の研究開発を行います。この技術開発により、データ資源やプログラム資源などを言語やデータ構造の違いを乗り越えて広くアジア地域で共有可能にし、病害虫の多国間移動や干ばつ・水害など直面する農業・環境問題の解決を支援するためのシステム構築することが期待されます。