ポイント
高温耐性と耐倒伏性に優れた中生水稲新品種「にじのきらめき」を育成しました。「コシヒカリ」並の極良食味で、15%程度多収となります。縞葉枯病1)に抵抗性を持ちます。大粒で業務用に適した品種として北関東の群馬県を中心に普及の取り組みが進められる予定です。北陸、東海地域以西でも栽培可能な品種です。
概要
近年、温暖化の進行に伴う登熟期間中の高温の影響で「コシヒカリ」に白未熟粒2)が発生し、品質が低下することが問題となっています。また、「コシヒカリ」は草丈が長く、収量向上のために多く施肥すると倒伏してしまい、穂発芽による品質の低下や収穫作業が予定通り進まないといった問題が発生しています。
そこで、農研機構は、高温登熟性と耐倒伏性に優れる中生水稲新品種「にじのきらめき」を育成しました。草丈が短くて耐倒伏性が強く、「コシヒカリ」に比べて標肥栽培で15%程度、「コシヒカリ」が倒伏する多肥栽培では30%弱多収です。玄米の外観品質は「コシヒカリ」よりも良好で、高温条件で栽培しても玄米品質に優れます。炊飯米の食味は「コシヒカリ」と同等の極良食味です。縞葉枯病に抵抗性を持つため、北陸だけでなく関東、東海以西でも栽培が可能です。北関東の群馬県を中心に普及の取り組みが進められる予定です。
予算:運営費交付金、農林水産省委託プロジェクト研究
「温暖化の進行に適応する品種・育種素材の開発」
品種登録出願番号:第32954号(平成30年3月20日出願、6月18日出願公表)