プレスリリース
(研究成果)新規課題12課題を新たにスタート!

情報公開日:2016年5月17日 (火曜日)

概要

農研機構農業技術革新工学研究センターでは、革新的農業機械・技術の研究開発を通じて、生産性の向上、省力化、環境負荷の低減や農作業安全等の推進を図っております。この度、基礎基盤研究の新規課題として新たに次の12課題を開始することとしましたのでご報告します。

新たに研究を開始する課題一覧

(1) 中山間地用水田栽培管理ビークルの適用性拡大

[目的] 水稲作での利用を目的として開発した中山間ビークルを畑作にも応用すべく、適用可能な品目や作業について検討し、田畑兼用可能な作業機を開発する。

 

(2) ロボット農用車両を用いた農作業効率化技術の研究

[目的] 実用化間近のロボット農用車両について、運用時に必要な準備作業の効率化、遠隔監視用通信技術の向上、資材補給法等現場導入に必要な周辺技術の研究を行う。

 

(3) 超音波等の物理的刺激を利用した防除装置の開発

[目的] 物理的刺激である超音波を利用したヤガ類及び病害防除技術をもとに、植物の病害虫防除装置の研究開発を行う。

 

(4) 高濃度少量散布に適した農薬の付着面積向上のための研究

[目的] 低濃度多量散布に適した国内の畑作用農薬散布機について、高濃度少量散布における最適散布条件を検討し、ほ場規模の拡大に伴う仕様の変更や稲作対応を図る。

 

(5) サトイモ収穫技術の開発

[目的] 既存のサトイモ分離調製作業機は、掘り上げたサトイモを一次分離後に再度ほ場に落とす構造となっており、その後のサトイモの拾い上げが手作業で行われている。そこで、ほ場に転がったサトイモを回収するための収穫技術を開発する。

 

(6) レタスの高精度追肥機の開発

[目的] レタスの追肥作業において、事前調査で開発要望の高かった非自走式(背負い式もしくは軽荷重手押し式)の、高精度で肥料の繰出量が調整できるスポット追肥機を開発する。

 

(7) 粗飼料水分の非破壊推定装置の開発

[目的] 測定に長時間を要する上、商品価値が失われる問題のある国産粗飼料の水分測定について、フィルム等で梱包された粗飼料を対象に、非破壊水分推定装置を開発する。

 

(8) 繋ぎ飼い牛舎の自動給餌システムにおける残飼料測定装置の開発

[目的] 乳牛固体の精密管理による生産性の向上や疾病の早期発見・治療等を目的として、既存の自動給餌機に搭載可能な残飼量測定装置を開発する。

 

(9) TMRセンターを基軸とした国産飼料流通に向けた技術開発課題調査

[目的] 国産材料多用型TMR(混合飼料)の広域流通に向けた技術課題およびこれまで開発した高密度整形技術等を基軸としたTMR等国産飼料生産流通システム等への技術課題および可能性を調査する。

 

(10) バイオマス由来高分子を用いたセル成型用育苗培地の固化・成形技術に関する研究

[目的] 環境配慮性の高いバイオマス由来高分子を用い、有機栽培へ寄与可能で移植時に苗周辺部が崩落しにくいセル成型用育苗培地を、現場で簡易に作成できる技術の開発研究を行う。

 

(11) 施設園芸用電動耕うん機の開発

[目的] 電動化の利点である排ガスを出さない、静寂性に優れるといった点に着目し、これらの利点を最大限活かすことができる施設園芸を対象とした電動耕うん機を開発する。

 

(12) 結束連動型調量装置の開発

[目的] これまでに得た調量技術の知見を発展させ、作業者が任意な量で供給する小束を組み合わせて、自動で適性な質量の束に調量後、結束機に供給する結束連動型調量装置を開発する。