プレスリリース
(お知らせ) 農研機構革新工学センターは今春、組織体制を刷新します

- 時代のニーズに即応、農業機械の開発・安全性検査を実施 -

情報公開日:2018年4月24日 (火曜日)

ポイント

  • 農研機構革新工学センターは、本年4月1日に組織体制を刷新しました
  • 先端・基盤研究(標準化を含む)の拠点機能を担います
  • 安全性検査(基準化を含む)や安全研究・分析の拠点機能を担います
  • 担い手ニーズに応じた開発・改良の結節点機能を担います

概要

  本年4月1日に農業機械化促進法(以下、促進法)が廃止されたことに伴い、農研機構農業技術革新工学研究センター(以下、農研機構革新工学センター)が実施してきた農機具に関する試験研究・検査業務は、農研機構法に基づく業務に位置付けられ、農研機構が必要な農業機械の開発・安全性検査等を実施いたします。

  一方、昨年8月1日に施行された農業競争力強化支援法において、生産資材価格の引下げと農業及び生産資材関連産業の国際競争力の強化を図るため、開発目標を明確にして、民間企業・研究機関・農業者等の連携により国際競争性を有した農業機械の開発を促進することとされています。

  また、今回の法改正等の経過で、担い手等生産現場から、促進法廃止後も(1)競争力強化に役立つ先端技術開発を進めること、(2)農業機械及び補修用部品の低価格化、部品の供給年限の延長等の機械コスト低減に向けた取組を進めること、(3)農作業事故の情報を収集・分析し農作業事故防止に活用するなど農作業安全の取組を遅滞なく進めること、等が求められています。

  このため、今後は、ロボット技術や人工知能(AI)、ICT等を活用した革新的な作物栽培・畜産支援システム、地域作物の収穫自動化等次世代の地域農業を支えるコア技術耐久性向上等による低コスト化農業機械の安全性検査を含めた農作業安全、及び仕様・規格の標準化に係る研究及び関連業務に重点化します。

  なお、研究推進に当たっては行政、異分野を含む民間企業、生産者や指導機関の意見を反映しうる仕組みとして農業機械技術クラスター(以下、技術クラスター)を今年度から設け、関係機関との連携を従前以上に密にして業務を遂行して参ります。

  以上の背景を踏まえ、本年4月1日に農研機構革新工学センターでは組織体制を刷新いたしました。
詳細は以下のとおりです。

1) 民間企業・研究機関・農業者等の連携による国際競争性を有した農業機械の開発促進に向けて、戦略統括監の下に戦略推進室等を設置して、連携機能(技術クラスターに係る連携、国際対応等)を強化します。
2) 安全鑑定として実施してきた検査を安全性検査として継続実施するほか(型式検査業務は廃止)、新たにロボット農機の安全性検査、自動化技術等の性能評価、通信規格・部品等の標準化・共通化、及びこれらの検査手法等の高度化に係る業務を実施し、これらを担う部署として安全検査部を新設します。
3) 安全研究を強化するため、これまで実施してきた農作業事故調査・分析、安全性の高い農業機械の開発改良に加え、自動化農機の安全な利用方法に関する研究、及びほ場周辺環境や地域全体を含む安全システム開発を担う部署として、安全工学研究領域を新設します。
4) 生産体系を変革する次世代栽培システムの核となる技術開発など基盤的な研究を作目横断的に実施するため、これらを担う部署として次世代コア技術研究領域を新設します。今後取組を強化するテーマとしては、地域特産物の営農支援を推進するため、少量多品種の栽培体系にも柔軟に対応できる、モジュール型農業機械等を新たに構想し、生産性向上と生産費低減との両立を図ります。

  組織体制の新旧対照表を別添資料として図示します。