育成のねらい
九州の中・南部を中心とする畜産地帯では、未利用農地活用のための放牧技術が求められています。そこで、九州の放牧地(標高300m以上)の基幹草種であるトールフェスクの越夏性を強化し、現在、利用が最も多い「サザンクロス」より優れる品種育成を目指しました。
来歴の概要
国内の自生集団と外国品種に由来する93栄養系から越夏性および冠さび病抵抗性に優れる5栄養系を選抜、親栄養系とし、昭和62年に「九州10号(ウシブエ)」の合成1代種子を採種しました。親栄養系のうち、3栄養系は九州の自生集団に由来し、2栄養系は外国品種に由来します。
命名の由来
広い放牧地で牛群を移動させているのどかな風景をイメ-ジした名前です。
新品種の特徴
越夏性に優れ、暖地に対する適応性の高い品種です。 放牧地における草量を「サザンクロス」より高く維持することができます。 普及にとって重要な採種性は「サザンクロス」より優れます。
今後の展開(普及の見通し)
今後、各県の奨励品種選定試験で評価され、普及に移ることになります。種子の販売は最短で平成19年からですが、試作用種子は九州沖縄農研で準備します。