プレスリリース
越夏性に優れる暖地の放牧向き品種「ウシブエ」(トールフェスク農林合4号)

- 九州沖縄農業研究センター開発品種の紹介 -

情報公開日:2005年9月15日 (木曜日)

育成のねらい

九州の中・南部を中心とする畜産地帯では、未利用農地活用のための放牧技術が求められています。そこで、九州の放牧地(標高300m以上)の基幹草種であるトールフェスクの越夏性を強化し、現在、利用が最も多い「サザンクロス」より優れる品種育成を目指しました。

来歴の概要

国内の自生集団と外国品種に由来する93栄養系から越夏性および冠さび病抵抗性に優れる5栄養系を選抜、親栄養系とし、昭和62年に「九州10号(ウシブエ)」の合成1代種子を採種しました。親栄養系のうち、3栄養系は九州の自生集団に由来し、2栄養系は外国品種に由来します。

命名の由来

広い放牧地で牛群を移動させているのどかな風景をイメ-ジした名前です。

新品種の特徴

越夏性に優れ、暖地に対する適応性の高い品種です。 放牧地における草量を「サザンクロス」より高く維持することができます。 普及にとって重要な採種性は「サザンクロス」より優れます。

今後の展開(普及の見通し)

今後、各県の奨励品種選定試験で評価され、普及に移ることになります。種子の販売は最短で平成19年からですが、試作用種子は九州沖縄農研で準備します。


詳細情報

usi01.jpg写真1.出穂におけるトールフェスクの草姿
2004年5月7日 西合志
左:ウシブエ 右:サザンクロス

usi02.jpg写真2.越夏後の草姿
2004年10月13日 西合志
左:ウシブエ 右:サザンクロス

usi03.jpg写真3.秋の欠株発生状況
2004年11月6日 西合志
左2畦:サザンクロス 右2畦:ウシブエ

usi04.jpg写真4.秋播種後の初期生育
2005年1月8日
左:サザンクロス 右:ウシブエ

usi05.jpg