プレスリリース
「土壌微生物を農業生産や環境保全に利用する研究」を 加速するための国際シンポジウムを開催

情報公開日:2004年4月13日 (火曜日)

九州沖縄農業研究センターは、国際シンポジウム「環境保全型農業推進のための微生物資源の探索と利用」(共催:大韓民国Mokwon大学、協賛:九州東海大学)を開催します。 土壌中に生存する細菌や糸状菌等の土壌微生物は、窒素やリン等の養分を作物へ供給したり、植物の病気の発生を抑える抗菌物質を生産することによって、農業生産に大きく貢献しています。さらに、土壌中にたまった窒素の除去や、ダイオキシン等環境ホルモンの分解など環境保全にも大きな役割を果たしていると考えられています。このようなことから、土壌改良効果や病害虫防除効果などを謳ったいろいろな微生物資材が流通していますが、その多くは含まれる微生物の種類やその機能が未解明であるため施用効果が限定的であると言われています。 今回のシンポジウムでは日韓の土壌微生物の先端的な研究者が集い、土壌微生物の探索や検出方法並びに農業生産への利用の可能性について最新の研究成果を発表します。同時に、環境保全型農業を推進するために必要な研究成果についてのポスター発表会も開催します。 有機農業など安全と安心をめざした新しい農業生産技術に関心のある方の参加をお待ちしています。


詳細情報

1.シンポジウムの概要

1)名称

環境保全型農業推進のための微生物資源の探索と利用

2)開催時期

2004年7月28日(水曜日)、10時~17時

3)会場

九州沖縄農業研究センター(熊本県菊池郡西合志町須屋2421)

4)参加資格

一般(参加方法はシンポジウムホームページを参照ください)

5)参加費

無料

6)開催規模

100名程度

7)使用言語

英語および日本語

2.プログラム

1)基調講演

農業現場における微生物資源の検索と利用

木村眞人(名古屋大学大学院生命農学研究科教授、日本土壌肥料学会会長、 日本土壌微生物学会会長)

2)一般講演

(1) 韓国農業微生物資源の現状と展望

Kwon Soon-Wo (国立農業生命工学研究院韓国農業微生物保存センター細菌部門責任者)

(2) 下層土から分離した低栄養性脱窒菌の生物学的多様性の評価

Whang Kyung-Sook (Mokwon大学微生物生態資源研究所所長)

(3) 微生物生態学におけるマイクロアレイ法の利用

Cho Jae-Chang (韓国外国語大学環境科学部助教授)

(4) 微生物資材開発の現状と課題

野口勝憲 (片倉チッカリン筑波総合研究所所長)

(5) FISH法を利用した堆肥及び農耕地の生物的安全性評価

染谷 孝 (佐賀大学農学部助教授)

(6) サツマイモの茎に生息する内生窒素固定細菌の同定と作物栄養のために内生微生物を利用するアプローチ

安達克樹 (九州沖縄農業研究センター畑作研究部生産管理研究室長)

(7) 遺伝子類縁性検索システムの開発と利用

渡邊克二 (九州沖縄農業研究センター環境資源研究部土壌微生物研究室主任研究官)

3)ポスターセッション

環境保全型農業の推進に関わる研究成果20課題程度を予定しています。