育成のねらい
で ん粉原料用カンショを取り巻く厳しい状況を打開するためには、原料いもを低コストで生産する必要があり、「コガネセンガン」や「シロユタカ」より高でん粉で多収な品種が要望されている。平成12年に育成した「コナホマレ」は高でん粉・多収であるが、貯蔵中の腐敗や晩期収穫で軟腐病の発生が問題になることが ある。そこで、貯蔵性や線虫抵抗性に優れ、でん粉生産能力の高い原料用品種を育成しようとした。
来歴の概要
いもの外観、センチュウ抵抗性や貯蔵性が優れる「九系117」を母、高でん粉・多収の「ハイスターチ」を父とする交配組合せから選抜した系統である
命名の由来
南九州の大地に根ざし、高いでん粉生産をあげることで人々の夢をかなえるかんしょを意味する。
新品種の特徴
- 「コガネセンガン」や「シロユタカ」より多収である。
- でん粉歩留は「コガネセンガン」や「シロユタカ」より2~3ポイント高く、「コナホマレ」と同程度である。
- いもの皮色はわずかに紅を帯びた白で、肉色は淡黄白である。
- ネコブセンチュウとネグサレセンチュウに強からやや強の抵抗性を示す。
- 貯蔵性は「コガネセンガン」や「コナホマレ」より優れる。
今後の展開
鹿児島県の奨励品種に採用される予定で、普及面積は2,000ha程度を見込んでいる。
地上部
地下部