プレスリリース
総菜にオレンジ色の彩りを添える調理加工用の新規素材「アヤコマチ」(かんしょ農林60号)

- 九州沖縄農業研究センター育成品種の紹介 -

情報公開日:2004年1月26日 (月曜日)

育成のねらい

総菜など調理加工用としてカンショを利用する場合、良食味だけでなく調理加工のしやすさが求められる。既存のカロテン品種「ジェイレッド」は多収であるが、食味が劣り、また「サニーレッド」は良食味であるが、いもの形状が長紡錘形で曲がり等が多く、揃いも良くない。そこで、良食味でいもの形や揃いが良く、調理加工に適するカロテン品種を育成して、カンショの需要拡大を図ろうとした。

来歴の概要

加工・青果用カロテン品種の「サニーレッド」を母、外観および貯蔵性が優れる高カロテン系統の「九州122号(ハマコマチ)」を父として平成5年に交配し、選抜した系統である。平成10年以降「九州134号」の系統名で地域適応性並びに加工適性を検討してきた。

命名の由来

外観が良く、カロテンを含み、鮮やかなオレンジ色の総菜用素材となるかんしょを示す。

新品種の特徴

  • いもの外観が優れ、皮色は赤、肉色は橙である。
  • 収量性は標準栽培で 「サニーレッド」と同程度である。
  • ネコブセンチュウに強、ネグサレセンチュウにやや強の抵抗性を示す。
  • 貯蔵性は「サニーレッド」や「高系14号」より優れる。
  • 蒸しいもの肉質はやや粘質、食味は「サニーレッド」と同等かやや優れる。
  • カット加工が容易で、カット面の色むらや変色が少なく、サラダなど総菜としての加工適性が優れている。

今後の展開

全国のかんしょ作地帯に適するが、当面は鹿児島県での普及を予定(10ha程度)

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地上部

ayane.jpg地下部