育成のねらい
総菜など調理加工用としてカンショを利用する場合、良食味だけでなく調理加工のしやすさが求められる。既存のカロテン品種「ジェイレッド」は多収であるが、食味が劣り、また「サニーレッド」は良食味であるが、いもの形状が長紡錘形で曲がり等が多く、揃いも良くない。そこで、良食味でいもの形や揃いが良く、調理加工に適するカロテン品種を育成して、カンショの需要拡大を図ろうとした。
来歴の概要
加工・青果用カロテン品種の「サニーレッド」を母、外観および貯蔵性が優れる高カロテン系統の「九州122号(ハマコマチ)」を父として平成5年に交配し、選抜した系統である。平成10年以降「九州134号」の系統名で地域適応性並びに加工適性を検討してきた。
命名の由来
外観が良く、カロテンを含み、鮮やかなオレンジ色の総菜用素材となるかんしょを示す。
新品種の特徴
- いもの外観が優れ、皮色は赤、肉色は橙である。
- 収量性は標準栽培で 「サニーレッド」と同程度である。
- ネコブセンチュウに強、ネグサレセンチュウにやや強の抵抗性を示す。
- 貯蔵性は「サニーレッド」や「高系14号」より優れる。
- 蒸しいもの肉質はやや粘質、食味は「サニーレッド」と同等かやや優れる。
- カット加工が容易で、カット面の色むらや変色が少なく、サラダなど総菜としての加工適性が優れている。
今後の展開
全国のかんしょ作地帯に適するが、当面は鹿児島県での普及を予定(10ha程度)
地上部
地下部