育成のねらい
九州では中生の良食味品種「ヒノヒカリ」に作付けが集中しているため、適期刈りが困難となり、刈り遅れによる品質の低下が問題となっている。そこで、品種の作付け分散を図るため、「ヒノヒカリ」よりも熟期の遅い良食味品種を育成する。
来歴の概要
「あきさやか」は、1990年に九州農業試験場(現 九州沖縄農業研究センター)で交配した、西海195号を母、北陸148号(後の「どんとこい」)を父とする交配組み合わせから育成した。
命名の由来
秋たけなわの頃に収穫を迎える晩生の極良食味品種であることから。(さやか:はっきりしているさま)
新品種の特徴
- 食味が「ヒノヒカリ」並かややすぐれて極良。
- 晩生種で収穫量も多い。
- 出穂期は「ヒノヒカリ」よりも8日程度遅く、「ユメヒカリ」(晩生品種)よりも3日程度早い。
- 収穫量は「ヒノヒカリ」、「ユメヒカリ」よりも5%程度多い。
- 倒れにくく栽培しやすいが、いもち病にはやや弱い。
今後の展開
平成14年度から福岡県が準奨励品種として採用。同県南部の筑後地方を中心に、「ヒノヒカリ」や「ニシホマレ」(酒造用かけ米)および「ヒヨクモチ」の一部に代えて、2000haの作付けが見込まれている。
左:「あきさやか」 右」「ユメヒカリ」
左:「あきさやか」 右」「ユメヒカリ」