育成のねらい
九 州では「フクユタカ」と「むらゆたか」の2品種が大豆作付面積の大部分を占めているが、国産大豆の供給量が増加し、産地間の競争が激しくなる中、比較的小 規模な産地を中心に付加価値の高い、特色ある大豆づくりを目指す動きがあり、その核となる品種の育成が求められている。
来歴の概要
昭和63年に「黄粉-2」を母に、「群馬青大豆」を父として人工交配し、以後、選抜・固定を図った。
命名の由来
その子実ならびに種皮が美しい清(キヨ)らかな緑色を呈しているので「キヨミドリ」と命名した。
新品種の特徴
- 成熟期は「フクユタカ」に比べ2日程度早い。
- 成熟後も子実の種皮および子実が濃い緑色をしたいわゆる青豆である。
- 豆腐に加工した場合、豆腐が薄緑色を呈し風味に優れている。
- 「フクユタカ」よりもショ糖含量高く、枝豆としても美味しい。
今後の展開
奨励品種採用の予定はないが、宮崎県では地域特産の大豆として普及している(平成13年普及面積 12ha)。地域で生産された農作物を地域で消費する、いわゆる「地産地消」の取り組みに活用できる特徴ある大豆として普及面積の拡大をめざす。
左:「フクユタカ」 中央:「キヨミドリ」右:「信濃青豆」
左:「フクユタカ」 中央:「キヨミドリ」右:「信濃青豆」