プレスリリース
広域適応性を持った高蛋白で多収な早生品種「サチユタカ」(だいず農林116号)

- 九州沖縄農業研究センター育成品種の紹介 -

情報公開日:2001年10月 9日 (火曜日)

 育成のねらい

 中国・近畿から 九州北部地方までの広い栽培適性を持った高蛋白で多収な早生品種を育成する。これによって、中国・近畿地方の主力品種でありながら低蛋白質である「タマホ マレ」の置き換えを目指すだけでなく、北部九州の大豆-麦二毛作地帯にも良く適した早生品種を普及させる。

来歴の概要

昭和62年に「フクユタカ」を母に、「エンレイ」を父として人工交配し、その雑種F2と「エンレイ」を再び人工交配を行い、以後、選抜・固定を図った。

命名の由来

 豊かな実りの本品種が大豆生産者・大豆加工業者の両方に幸福(サチ)を豊か(ユタカ)にもたらすことを願って「サチユタカ」と命名した。

新品種の特徴

 九州の主力品種である「フクユタカ」よりも1週間程度早く成熟するので、近畿、中国地方の温暖地での栽培に適するだけでなく、九州北部地方おいても麦の播種 作業をより早く始めることができるようになり、大豆-麦の二毛作地帯での栽培に良く適する。 子実は「タマホマレ」、「フクユタカ」より大きい白目大粒である。粗蛋白含有率は“高”であり「タマホマレ」に比べ高く、豆腐加工適性優れる。 子実収量は「タマホマレ」に比べ多収であり、北部九州では「フクユタカ」と同程度の収量性を示す。 耐倒伏性は“強”で、「タマホマレ」、「フクユタカ」より強い。 今後の展開 平成13年には岡山、島根、山口の各県で奨励/認定品種として採用されおり、平成14年には、広島、鳥取、兵庫県など中国・近畿地方でも採用が予定されて いる。一方、福岡、佐賀県などの大豆-麦の二毛作地帯での普及も強く期待されている。

 

daizu_mi.jpg

ニシムスメ、サチユタカ、タマホマレ
(播種条件:平成12年6月6日、畦幅:70cm、株間:14cm、1株:1本立て)

daizu.jpg

ニシムスメ、サチユタカ、タマホマレ
(播種条件:平成12年6月6日、畦幅:70cm、株間:14cm、1株:1本立て)

daizu_ha.jpg(播種条件:平成12年6月6日、畦幅:70cm、株間:14cm、1株:1本立て)
撮影年月日:平成12年7月27日