プレスリリース
(お知らせ) 農研機構、ディジョンメトロポール(フランス)、ヴィタゴラが「美食と健康」及び「発酵」の分野で包括連携協定(MOU)を締結

情報公開日:2025年11月21日 (金曜日)

農研機
ディジョンメトロポー
ヴィタゴ

ポイント

  • 農研機構、ディジョンメトロポール、ヴィタゴラの3者は、日仏両国の食文化の核である「美食と健康」、「発酵」の分野でMOUを締結しました。
  • これらの3機関が連携しシナジー効果を発揮することで、日仏両国において、「食によるウェルビーイングの向上」を通じた「食産業の成長」と「地域経済の発展」を目指します。

概要

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(理事長 : 久間 和生、以下「農研機構」)、ディジョンメトロポール(議長 : フランソワ・レブサメン)、ヴィタゴラ(会長 : オシン・モリン)は、2025年11月20日(現地時間 : フランス)に包括的連携協定 (MOU) を締結しました。

日本とフランスは共に世界に誇る「美食の国」であり、また発酵食品が食文化の中心にあります。農研機構は日本の誇る食文化を背景に「食と健康」の研究を推進しています。またディジョンメトロポールとヴィタゴラは食文化を活かした健康増進を目指した取り組みを進めています。本MOUは3者の戦略を反映させたもので、3者がそれぞれの強みを生かして連携し、シナジー効果を発揮することで、日仏両国において、「食によるウェルビーイングの向上」を通じた「食産業の成長」と「地域経済の発展」を目指します。

農研機構(NARO)は、茨城県つくば市に本部を置く、我が国最大の農業・食品分野の研究機関です。農業・食品分野における「Society 5.0」の実現により、①食料安全保障と食料自給率向上、②農産物・食品の産業競争力強化と輸出拡大、③生産性向上と環境保全の両立に貢献することを目標に掲げ、これらを達成するために、農業AI研究、スマート農業の研究・普及、農業界・産業界との連携強化等を強力に推進しています。特に今年9月に公表した東京科学大学との連携協定締結をはじめ、「食と健康」産業を成長分野と位置付け、「食と健康」の科学を深化させることによって、食による健康寿命の延伸や科学的エビデンスに基づく「食と健康」の産業拡大による日本の食品産業の成長に貢献することを目指しています。

ディジョンメトロポールは、フランスのブルゴーニュ地方に位置する広域連合自治体で、美食の都として知られるディジョン市を中心に23の自治体で構成されています。2022年に「ProDij戦略」を策定し、若年層や高齢者向けの食に関する研究開発や、学校給食用に野菜加工センターの整備などを推進しています。また、域内ではINRAE(フランス国立農業・食料環境研究所)、CNRS(フランス国立科学研究センター)、ブルゴーニュヨーロッパ大学などが連携し、美食研究に強みを持つ「味覚・摂取行動科学研究センター(CSGA)」を設立しています。

ヴィタゴラはディジョンを拠点とするフランス政府認定のアグリフード・イノベーションクラスターで、約680の企業・研究機関・大学などが加盟し、食品の高付加価値化やスタートアップ支援、国際連携を推進しています。また、INRAEを中心としたフランス政府の大型研究プロジェクト「発酵の未来(Ferments du Futur)」の主要メンバーです。

今回締結したMOUでは、重点連携領域として、「美食と健康(若者の食と健康、高齢者の食と健康)」と「発酵(新食品開発、サステナブルフードシステムへの貢献)」を設定しました。これらの領域を中心とした日仏の連携によって、両国において、食によるウェルビーイング向上と、食と健康関連産業の拡大を目指します。さらに、「美食都市」との連携を活かした日本食品の輸出促進を目指します。

※Society 5.0 : 第5期科学技術基本計画(平成28年閣議決定)で提示された未来社会像で、「サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会」

重点連携領域

【MOUの概要】

1. 目的

相互の関心分野における協働などを通じて両者の関係深化を促進し、日本とフランスとの関係強化に貢献する。

2. 連携事項・連携分野

  • 学術研究機関、民間関係団体と連携しながら、両国民のウェルビーイングを高め、各々の地域発展に向けて協力する。
  • 各々の地域経済の発展に向け、以下の分野における交流の促進について協力する。
  • 美食と健康(若者の食と健康、高齢者の食と健康)
  • 発酵(新食品開発、サステナブルフードシステムへの貢献)
  • 各々の学術研究の発展に向け、食品や発酵分野を始めとした大学や研究機関の交流について協力する。
  • 行政と民間、学術研究機関が連携し円滑に交流を進めるため、将来の取り組みについて情報共有を行うとともに、当事者等は定期的に協議を行う。

3. 契約期間

協定の締結日から5年間(更新の場合は書面で協議)

問い合わせ先
農研機構本部 NARO開発戦略センター
副センター長(兼 国際課研究管理役)後藤 一寿