要約
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所では、日本酒を分析しただけで、原料となった米の品種を判別できる基礎的な技術を開発しました。
米の品種判別技術としては、植物体や穀粒の形態の差異に基づく方法等が知られていますが、これらの方法は、日本酒の原料の米品種の判別には使用できません。
また、DNAによる方法でも、日本酒は加工度が高いために、これまで、日本酒から原料の米品種を判別することはできませんでした。しかし、このたび、日本酒から原料米のDNAを抽出する方法により、DNAによる米の品種の判別技術を開発しました。また、この技術は、ワインから原料ブドウ品種を判別する方法としても応用可能です。
今後は、専門機関とともに、今回開発された技術を実用化に向けて更に研究を進めていく予定です。こうした技術を用いれば、最近輸入が増えつつある、日本酒における原料の米品種が判別できるなど育成者権の保護等に貢献することが期待されます。
本研究は、農林水産省の委託プロジェクト研究「安全で信頼性、機能性が高い食品・農産物供給のための評価・管理技術の開発」により実施しました。