プレスリリース
イオン、コープこうべ、大地を守る会でトレーサビリティシステムの実用化へ

- 消費者参加による大規模な実用化実験を開始 -

情報公開日:2003年1月14日 (火曜日)

背景・ねらい

青果ネットカタログ(以下、SEICA*)は、昨年8月23日に一般公開して以来、低コストの実用的なトレーサビリティとして注目を浴びています。また、SEICAは、XML Webサービスの採用により、外部システムとの相互通信が容易であり、さまざまな拡張性を有しているのも1つの特徴です。今回、この外部接続機能を利用して、イオン、コープこうべ、大地を守る会の3団体の協力のもとに広域トレーサビリティ実用化実験を1月15日から開始します。SEICAというインフラを利用することで、生産者はSEICA1箇所への登録で様々な団体へ情報提供できるとともに、流通側も自らデータベースを構築したり管理する必要が無いため、運用コストをかけずに消費者への情報提供が可能になります。従来のような特定の産地と店舗を結ぶ実験とは異なり、幅広い産地、多様な品目、そして全国規模の不特定多数の消費者を対象としており、そのまま実用を目指したシステムです。さらに、SEICAと各団体のWebサーバーを中継する支援システム(管理サーバー)には、様々な付加機能(認証、アクセス解析等)があり、各団体が独自に特徴を持たせて運用することができます。また、本システムと連動した新しいプッシュ型店頭端末も一部に配置し、その実用性を確認します。これらを通じた消費者の反応は、Web上でアンケートを実施することにより把握します。

*青果ネットカタログ「SEICA」は、(財)食品流通構造改善促進機構が所有し、(独)食品総合研究所及び農林水産研究計算センター(農水省)の協力により運用している公的データベースです。

内容・特徴

  • イオンは店頭販売、コープこうべと大地を守る会は宅配流通の農産物商品(コープこうべは店頭販売もあり)を対象とし、各社のホームページアドレスとSEICAのカタログ番号を記載したラベルを貼り付け、販売します。ラベルの貼付は、産地で行ったり、流通センターで行うなど、商品によりケースバイケースで対応しています。
  • 消費者は購入商品の履歴情報等をパソコンや携帯電話で確認できます。(iモード、EZweb、J-スカイ等、各社の携帯電話に対応、PCと同じURLで検索可能) また、運用や利用においてインターネット環境以外に特殊な装置は一切不要で、データベース部分はSEICAを活用するため、実用的なコストでトレーサビリティの導入が可能です。
  • 支援システムの役割は、各団体のホームページでの検索を可能にするとともに、独自デザインでの情報表示や認証機能(記載内容をチェックし、OKのものだけを表示)、およびアクセス解析(オンラインで可能)を提供します。今後、さらなる機能追加も予定しています。
  • イオンにおいては、一部の店舗に新しい店頭端末を配置します。この端末は、店頭にある商品のカタログ情報を見やすい形で常時流す(プッシュ型)とともに、画面に触れるとカタログ番号入力モードになり、個別の情報も見られる新しいタイプの情報表示システムです。映し出されるカタログの商品リストは支援システムからの配信により店舗でのメンテナンスフリーを実現しています。また、必要あれば店頭で独自に商品リストを編集することも可能です。なお、本装置は導入を容易にするために、ソフトウェアで全ての機能を実現しており、ハードは既存のWindowsパソコンが利用できます。
  • 各団体ホームページアドレス
    SEICA:http://seica.info/
    イオン:http://www.aeon.info/
    コープこうべ:http://www.coop-kobe.net/
    大地を守る会:http://www.daichi.or.jp/jikken.html

詳細情報

図1 システムの流れ
図1 システムの流れ

図2 自社Webサイトからの独自の情報発信
図2 自社Webサイトからの独自の情報発信

図3 内容チェックしたものだけを公開可能(認証機能によるフィルタリング)
図3 内容チェックしたものだけを公開可能(認証機能によるフィルタリング)

図4 アクセス状況をオンラインで把握
図4 アクセス状況をオンラインで把握

図5 商品ラベルの一例
図5 商品ラベルの一例

図6 店舗端末(Windowsパソコン用ソフトウェア)
図6 店舗端末(Windowsパソコン用ソフトウェア)