プレスリリース
農産物ネット認証システムによる販売実験

- 生産者の顔がみえる,消費者の声が聞ける -

情報公開日:2000年8月10日 (木曜日)

背景・ねらい

農産物は,本来,産地・栽培法等によって様々な品質特性が生み出され,名産・ブランド化が有効な商品のはずであるが,実際には複雑な流通経路によりモノトーン化されて消費者に渡っているのが現状である。この問題を解決するために,圃場にある農産物に販売パッケージ単位でID番号を付与して収穫日,品種,生産者,栽培情報等を管理する情報システムの構築を行い,消費者まで確実に生産者側の情報が伝達できる手法を開発した。今年は,昨年のホームページによる情報伝達に加えて,ファックス,携帯電話(iモード),一般電話等による情報取り出しを可能にし,市場流通での広域販売実験を試みる。

成果の内容・特徴

  • データベースとWebサーバーを組み合わせて,ID番号をホームページから入力することで,農産物の個体データをデータベースから動的に抽出し,表示するシステムを構築した。
  • 生産者側の情報は,パソコンから一般電話(あるいはインーネット網)介して,ID番号,収穫日,品種,生産者名等を毎日出荷時にデータベースヘ入力することが可能である。
  • 消費者は,小売店で購入した農産物に貼られているIDラベルを見て,そこに書かれているホームページアドレスあるいは電話番号とID番号の入力により,収穫日,品種,生産者の情報(写真,音声を含む),栽培の特徴,圃場の写真等が入手可能である。ホームページでは,その他,産地情報,調理法,生育写真等も閲覧でき,さらに双方向通信の活用例としてアンケートも実施する。
  • 情報取り出し手法としては,ホームページ以外に,携帯電話からのアクセスの場合は同じアドレスで自動的にiモード用のホームページを表示し,ファックスの場合はホームページで表示される情報を手元のファックスで受信でき,一般電話の場合は音声で読み上げられる(但し,提示情報は若干制限される)。

販売実験の概要

  • だだちゃ豆(山形県鶴岡産):茨城県つくば市内のスーパー(カスミ)2店舗で8/12~9/3にわたって実験販売。1500袋予定。
  • しろね茶豆(新潟県しろね産):JAしろねから,築地市場を通じて,東京近郊で広域実験販売。8/17~9月中旬まで出荷全量に本システムのIDシールを貼付。3万袋予定。
  • また,秋には米も実験予定。

注)なお,詳細はhttp://vip2.nfri.affrc.go.jp/を参照。また,特許(特開平10-302105)も公開中である。

今後の課題

情報コンテンツの開発,対象農産物の多様化,販路の多様化等。