プレスリリース
(お知らせ) 下水汚泥資源をリサイクルした肥料等から供給される養分量を見える化し、化学肥料の適正施用をサポートする「汚泥肥料、菌体りん酸肥料の肥効見える化アプリ」(畑地版)の公開

情報公開日:2026年3月27日 (金曜日)

農研機
土木研究
京都大

ポイント

  • 農研機構、土木研究所及び京都大学などから構成される「肥効評価に基づく下水汚泥肥料活用促進コンソーシアム」は、畑地に施用した汚泥肥料等からの養分供給量を試算(見える化)するウェブアプリを作成し、公開しました。
  • 畑の位置、汚泥肥料の種類(コンポスト、乾燥汚泥など)、施用量や時期を選択するだけで、施用した汚泥肥料等からの平均的な養分供給量が表示され、それを参考に、化学肥料の施用量を減らすことができます。
  • 汚泥肥料等の農地施用を促進することで、肥料原料の輸入依存の軽減と、国内での肥料資源の循環利用に貢献します。

概要

肥料原料は、その多くを海外に依存し、国際市況や原料産出国の輸出に係る動向の影響を強く受けています。生産現場に肥料を安定的に供給していくために、これまで循環利用が進んできた家畜ふんに加えて、下水等を浄化する際に生じる「汚泥」の肥料利用が注目されています。これら有機性の資源は、発酵(堆肥化)や加熱乾燥等により、人や植物への衛生面や、農地への散布しやすさを改善して、土づくり資材や肥料としてリサイクルされていますが、化学肥料に比べて、作物への肥料としての効果(肥効)の見積もりが容易ではありませんでした。

そこで、「肥効評価に基づく下水汚泥肥料活用促進コンソーシアム」は、全国から汚泥を原料とする肥料等を収集するとともに、その養分含量(窒素、リン酸およびカリウム)を解析し、2026年3月2日「汚泥肥料、菌体りん酸肥料の肥効見える化アプリ」を公開しました(図1)。

図1 アプリのねらい(イメージ)

アプリでは、畑の位置、汚泥肥料の種類(コンポスト、乾燥汚泥など)、施用量や施用時期を選択するだけで、施用した汚泥肥料等からの平均的な養分供給量が表示されるため、どれだけ化学肥料を減らすことができるか、検討しやすくなります。また、平均的な汚泥肥料の養分含量に基づく試算ではなく、個別の汚泥肥料の養分含量をアプリ内で入力して、精密に肥効を試算することも可能です。詳しくは、操作説明書、マニュアル等をご覧ください。アプリは農研機構「日本土壌インベントリー」(https://soil-inventory.rad.naro.go.jp/)の「土壌管理アプリ集」から無料で利用できます。土壌管理アプリ集では、本アプリの他にも家畜ふん堆肥等の肥効を可視化できる「有機質資材の肥効見える化アプリ」等も利用できます。

汚泥肥料の農業利用はこれまで限定的でしたが、本アプリの活用により、肥料として利用しやすくなり、その新規利用が促進されると期待されます。

関連情報

予算 : 農林水産省「下水汚泥資源の活用促進モデル実証(課題番号 : 下5F2コ、課題名 : 汚泥肥料の肥効特性の解明と肥効見える化システムの構築及び実証)」(事業主体 : 農研機構)
関連する知的財産 : 窒素無機化量算出装置(特許第7597323号、権利者 : 農研機構、国環研)

問い合わせ先
研究推進責任者 :
農研機構 農業環境研究部門 所長山本 勝利
研究担当者 :
農研機構 農業環境研究部門 土壌環境管理研究領域
上級研究員井原 啓貴
同 農村工学研究部門 資源利用研究領域
上級研究員中村 真人
上級研究員折立 文子
研究員藤田 睦
同 西日本農業研究センター 中山間営農研究領域
上級研究員山口 典子
土木研究所 先端材料資源研究センター
材料資源研究グループ
上席研究員阿部 千雅
主任研究員宮本 豊尚
研究員髙橋 啓太
京都大学 大学院地球環境学堂 准教授日高 平
広報担当者 :
農研機構 農業環境研究部門 研究推進室 渉外チーム小路 敦