動物衛生研究所では2005年度から5カ年計画で文部科学省の研究予算「新興・再興感染症拠点形成プログラム」で、タイ国農業協同組合省畜産振興局と共同研究覚書を締結し、タイ国立家畜衛生研究所に海外拠点「人獣感染症共同研究センター」を設置して「東南アジアにおける鳥インフルエンザ等人畜共通感染症の疫学調査研究」の共同研究を実施することになりました。
人獣感染症共同研究センターの概要
人獣感染症共同研究センターは、タイ国バンコク市にあるタイ国立家畜衛生研究所内に設置し、当面は人獣感染症研究チームの主任研究員をタイのセンター代表とし、この他に研究員およびポスドク研究員3名を日本から派遣し、共同研究を推進することになります。本施設では、タイ国で家きん産業に多大な被害をもたらし、感染死亡者も出した鳥インフルエンザを中心に人獣共通感染症の疫学解析研究を、大阪大学微生物病研究所が海外拠点とするタイ国立予防衛生研究所との連携で実施します。今回の共同研究を通じてわが国への高病原性鳥インフルエンザ等の人獣共通感染症の侵入リスクの低減に貢献します。さらに、これらの研究を通して新興・再興感染症分野の研究人材を育成することも併せて目指します。