プレスリリース
独)農業・食品産業技術総合研究機構作物研究所と中国農業科学院作物科学研究所が研究交流に関する覚書を締結

情報公開日:2006年11月22日 (水曜日)

要約

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所(以下、作物研究所)は、中華人民共和国の中国農業科学院作物科学研究所(以下、中国作物科学研究所)との研究交流を促進する覚書を平成18年11月7日に締結しました。

この覚書により、作物研究所と中国作物科学研究所との間での研究者の交流や共通の課題に関する共同研究が活発になり、作物の遺伝・育種や栽培・品質などの基盤的な分野を中心に、両国の研究開発がより進展することが期待されます。

研究協力の要旨

作物研究所では、海外の研究機関との積極的な研究交流・共同研究を進めており、国際稲研究所(IRRI)や韓国農村振興庁作物科学院、中国東北地理・農業生態研究所など海外の研究機関との間で研究交流の覚書を締結し、研究交流・協力を進めてきました。昨年5月に中国農業科学院のZhai Huqu (?虎渠)院長が作物研究所を訪れたのを契機に、豊富な遺伝資源をもち、農業研究を急速に進めている中国の農業研究機関との研究交流を深めることの重要性を確認しました。その後、中国の作物研究の中核的な機関である中国作物科学研究所との研究協力について協議を続けて来ました。

その結果、平成18年11月7日に作物研究所 黒田秧 所長が中華人民共和国北京市の中国作物科学研究所を訪れ、Wan Jianmin(万建民)所長との間で、両研究所での研究交流を盛んにし、両国に共通する作物生産、育種および作物科学分野の発展に協力して寄与することに合意し、覚書を交わしました(写真)。

研究協力の概要

この覚書に従い、両研究所は以下のように広範囲な研究交流・協力を進めます。

  • 両研究所間での情報や人的交流を盛んにする。
  • 稲、麦、畑作物の研究について共同研究課題を検討し、協力して研究を行う。なお、本協定には遺伝資源の提供に係る協力については含まれておりません。

詳細情報

日時

平成18年11月7日(火曜日)

場所

中国農業科学院作物科学研究所(中華人民共和国北京市)

写真1 調印式
調印式

写真2 研究協力に関する覚書を締結
研究協力に関する覚書を締結する作物研究所 黒田秧 所長(左)と
中国作物科学研究所 万建民(Wan Jianmin)所長(右)。

中国農業科学院作物科学研究所

写真3 中国農業科学院作物科学研究所

中国農業科学院作物科学研究所は中国における農作物に関する研究、教育、国際協力の中核となる国立研究機関です。優れた品種や効率的な栽培管理技術の開発を通して、中国の農家の生産性や安定性を向上させることを目標として、稲や麦、大豆などの農作物について遺伝資源、品種改良、バイオテクノロジー等の研究を進めています。現在、341名の研究者が研究に従事し、その中には、2名の中国学術会員、14名の上席研究員が含まれています。

中国農業科学院作物科学研究所には作物遺伝育種部、作物分子生物学部、作物栽培生理部、作物遺伝資源保存研究センター、小麦改良センター、大豆改良センターなどが置かれています。特に、その作物遺伝資源の保存施設は中国で最大の規模を誇っています。

所在地:中華人民共和国北京市
ホームページ:http://icscaas.com.cn/