農研機構
(株)アグリ総研
(株)アグリセクト
ポイント
天敵昆虫「タバコカスミカメ」が5月26日に農薬登録されました。キュウリやトマトなどの施設園芸で問題となる難防除害虫のアザミウマ類やコナジラミ類の防除に有効です。タバコカスミカメ剤は、7月7日に(株)アグリセクトから販売開始予定です。
概要
天敵昆虫タバコカスミカメは、キュウリやトマトなど多くの施設野菜で問題となっている、難防除害虫のアザミウマ類やコナジラミ類の防除に有効です。本種は日本に広く分布するため、野外で採集した個体を土着天敵として利用することも可能です。しかし、東日本では生息密度が低く、防除に利用できるほどの数を採集できません。また、他の虫との識別も簡単ではありません。そこで農研機構は全国の生産者の皆さんが簡単に本種を入手できるよう、(株)アグリ総研および5県の公設試と共同で製剤化しました。
タバコカスミカメ剤は、5月26日に農薬登録され、商品名「バコトップ」として(株)アグリセクトより2021年7月7日から販売予定です。
タバコカスミカメの地域別の利用マニュアルを、農研機構ホームページにて公開しています。
「化学合成殺虫剤を半減する新たなトマト地上部病害虫防除体系マニュアル」
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/pamphlet/tech-pamph/129995.html
「施設キュウリとトマトにおけるIPMのためのタバコカスミカメ利用マニュアル(2015年版)」
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/pamphlet/tech-pamph/060741.html
※ 生物農薬とは、病害虫・雑草の防除に利用される微生物、天敵、寄生昆虫などを施用しやすく、かつ効力を発揮しやすいよう製剤化したものです。化学合成農薬に代わる防除資材として、「みどりの食料システム戦略」における化学農薬使用量(リスク換算)の低減に貢献します。また、有機農業にも活用可能です。
関連情報
農薬登録番号 : 農林水産省登録 第24524号
予算 : 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第1期「次世代農林水産業創造技術」(管理法人 : 農研機構生研支援センター)、農林水産省 新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業/農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業 「土着天敵タバコカスミカメの持続的密度管理によるウイルス媒介虫防除技術の開発・実証」(課題番号24017)