Ryo Nakano, Akio Ito, Susumu Tokumaru (2022) Sustainable pest control inspired by prey-predator ultrasound interactions. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(米国科学アカデミー紀要) 119(43) e2211007119. doi: 10.1073/pnas.2211007119
A : 信号発生器と信号増幅器を含む装置本体。B : 円柱型の超音波スピーカ。C : イチゴの栽培施設に設置した超音波スピーカ(矢印部;左図)と上から見た配置図(右図)。超音波スピーカの周囲の薄い青色は、防除に有効な超音波の射程距離を表します。D : 長ネギの露地ほ場の四隅に設置した超音波スピーカ(左図)と上から見た配置図(右図)。
図3 栽培ほ場での合成超音波パルスによる防除効果
A : イチゴの栽培施設におけるハスモンヨトウの卵塊数。調査年度の異なる同一ほ場(2016~2018年度)において、超音波の照射により卵塊数は低く推移しました(図中「超音波あり」のオレンジ(2017年度)と緑(2018年度)のシンボル)。(注:その年の卵塊数は、調査年度で異なるハスモンヨトウの発生量に比例することが想定されます。そこで、調査期間中に調査ほ場の近隣に設置したフェロモントラップへのハスモンヨトウのオス成虫の捕獲数をその地域・年の発生量とみなしました。その年の捕獲数あたりの卵塊数を算出した場合でも、図3Aと同様に、超音波を照射した2017年度および2018年度の卵塊数は2016年度と比べて顕著に少なくなりました。) B : 露地ほ場におけるシロイチモジヨトウによる葉ネギの被害株率。同一の調査年度(2019年度)で近隣の異なるほ場(超音波なしのほ場は反復として2地点)において、超音波の照射により卵塊数および幼虫数が減り、結果的に被害株数を低く抑えることができました。