ポイント
- 農研機構は、「蛾類の飛来を防ぐ超音波防除技術 標準作業手順書」を本日ウェブサイトで公開しました。
- 本手順書は、農業害虫の防除の際に、殺虫剤の利用頻度が依然として高いヤガ類などの蛾類害虫を対象に、超音波を用いた防除技術の手順を解説しています。
- 蛾類が逃げ出す「忌避超音波」をほ場の周囲に照射することで、農作物に産みつけられるヤガ類の卵の数を減少させ、ヤガ類の幼虫を防除するために使用されている殺虫剤の散布回数を大幅に削減することを可能にします。
概要
農研機構は、11月22日に「蛾類の飛来を防ぐ超音波防除技術 標準作業手順書」を公開しました。
多くの蛾類は聴覚器官(耳)を持ち、虫を捕食するコウモリに食べられないよう、コウモリの発する超音波から逃げ出す行動習性を持っています。そこで、蛾類が逃げ出す超音波をほ場の周囲に照射することで、ヤガ類が産卵のためにほ場へ飛来することを阻害できます。
近年、農作物への被害が増加傾向にあるヤガ類のハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウを防除対象とした本技術のほ場試験では、産卵数あるいは農作物の被害株数を90%以上抑制し、慣行栽培で施用される殺虫剤の散布回数を最大で約90%削減することができました。
本手順書では、蛾類が逃げ出す「忌避超音波」を広範囲に照射可能な装置の活用方法と留意点を導入事例とともに紹介し、本防除技術の実践までのノウハウを解説します。
【利用方法】
- 以下のURLより、標準作業手順書のサンプル版(PDF)をどなたでもご覧いただけます。
- 標準作業手順書全編のご利用には利用者登録(無料)またはログインが必要です。
以下のURLより、「ログイン/利用者登録」のページにアクセスすることができます。
蛾類の飛来を防ぐ超音波防除技術 標準作業手順書
URL: https://sop.naro.go.jp/document/detail/143
問い合わせ先
研究推進責任者 :
農研機構植物防疫研究部門 所長大藤 泰雄
研究担当者 :
同 基盤防除技術研究領域 上級研究員中野 亮
広報担当者 :
同 研究推進部 渉外チーム長久保田 健嗣