ポイント
農業者や地域住民が農用地、水路、農道などの地域資源を保全管理する、多面的機能支払交付金1)を活用した共同活動について、その活動による地域経済への波及効果を評価できるWEBツールを開発しました。ユーザーは、活動に要した経費と活動地域をブラウザ上で入力するだけで、波及効果を算定できます。本ツールは、このような活動による地域経済への貢献を見える化し、活動を促進する施策の評価に役立てることができます。
概要
現在、全国1,429市町村(2017年度時点)において、農業者や地域住民が農用地、水路、農道などの地域資源を保全管理する共同活動が、「多面的機能支払交付金」を活用して実施されています。この活動は、国土や生態系の保全など農業・農村の有する多面的機能の維持・発揮のみならず、実施市町村や周辺地域の地域経済活性化に寄与することが期待されています。しかし、経済波及効果2)を定量的に明らかにするためには経済分析に関する専門的知識が必要であり、従来はほとんど行われてきませんでした。
そこで農研機構は、活動に関わる行政機関や土地改良区等の実務者が、簡便に活動の経済波及効果をブラウザ上で評価できるアプリケーションを開発し、ウェブサイトに公開しました。ユーザーは、対話形式により活動に要した経費の品目ごとの支出額と活動地域を入力するだけで、専門的な分析手法(産業連関分析3))にもとづく波及効果を求めることが可能です。計算結果は、その活動を行う市町村、同じ都道府県内の他市町村、他の都道府県に分かれて出力されます。
本ツールは、多面的機能支払交付金による活動の地域経済活性化への貢献度合いをわかりやすく示すこと(見える化)で、行政機関や関係団体が活動を促進するための施策の評価に役立てることができます。
評価ツールURL
http://kinohyoka.jpより「多面的機能支払交付金経済評価ツール」を選択
関連情報
予算 : 科研費 基盤研究(B) (特設分野研究) 16KT0036(2016-2018) / 戦略的イノベーション創造プログラム(内閣府)「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」(2014-2018)
問い合わせ先など |
研究推進責任者 : 農研機構 農村工学研究部門 研究部門長 土居 邦弘 |