ポイント
- 農研機構は、「ため池防災工事のための堤体対策工法選定マニュアル」を公開しました。
- 本マニュアルでは、自治体のため池担当者に向けて、決壊した場合に人的被害を与えるおそれのあるため池の防災工事(堤体対策)をする際に、対策工法を合理的かつ効率的に選定するフローを示しています。
- 工法選定の属人化や検討期間の長期化を解消することで、ため池防災工事の迅速化に貢献します。
概要
「防災重点農業用ため池1)に係る防災工事等の推進に関する特別措置法」の施行により、全国でため池の改修工事が計画的かつ集中的に進められています。一方、工法選定には、ため池ごとに詳細な検討が必要となり、評価に多くの時間を要することが防災工事の円滑な実施における課題となっています。
この課題に対応するため、農研機構は、全国の自治体のため池担当者を対象に、工事施工上の制約となった条件や、実際に採用された堤体対策工法についてアンケート調査を実施しました。アンケートの結果、工事施工の主な制約条件として、遮水性材料の調達が困難であることや、堤体下流域の宅地化などによる用地上の制約、堤体拡張に伴う貯水量の減少が許容されにくい点などが明らかになりました。
これらの結果を整理し、堤体対策工法を漏水対策や耐震補強といった改修目的別に分類するとともに、改修の目的や施工上の制約条件を踏まえて合理的かつ効率的に工法を選定できるフローを示した「ため池防災工事のための堤体対策工法選定マニュアル」を作成し、公開しました。本マニュアルは、堤高15メートル未満の防災重点農業用ため池を対象としており、各地で進められるため池防災工事の迅速化に寄与することが期待されます。
<マニュアルの利用方法>
以下のURLより、本マニュアル(PDF)をご覧いただけます。
■ ため池防災工事のための堤体対策工法選定マニュアル
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/pamphlet/tech-pamph/175715.html
用語の解説
- 防災重点農業用ため池
- 決壊した場合の浸水区域に家屋や公共施設等が存在し、人的被害等を与えるおそれのあるため池。令和7年3月末時点で52,380箇所が指定されています(出典 : 農林水産省HP : https://www.maff.go.jp/j/nousin/bousai/bousai_saigai/b_tameike/attach/pdf/koujitokusohou-35.pdf)。 [概要へ戻る]
関連情報
予算 : 農林水産研究推進事業委託プロジェクト研究「ため池の適正な維持管理に向けた機能診断及び補修・補強評価技術の開発」、運営費交付金