ポイント
- 「グレーンドリル」などの畑作用高速作業機の水稲乾田直播への汎用利用と直播適性品種を組み合わせることにより、労働時間・機械コストを大幅に削減して移植並以上の収量が得られる乾田直播栽培技術を開発し、生産者向けマニュアルを作成しました。
- 本マニュアルでは、乾田直播の普及拡大のネックとなる漏水対策を充実させ、実際の経営に乾田直播を導入した場合のコスト削減効果を具体的に示しました。
概要
- 農研機構東北農業研究センター(東北農研)は、大規模畑作で麦用に使われている播種機「グレーンドリル」などを水稲乾田直播に汎用利用する技術を開発し、生産者向けマニュアルを作成しました。これは、従来のマニュアル(Ver.1)に、以下のような新しい技術等を追加・整理して分かりやすく説明したものです。
- ロータリーシーダなどを用いる通常の乾田直播に対し、プラウによる深耕とグレーンドリルによる時速10km程度の高速作業が可能で、直播適性品種「萌えみのり」を用いることで、移植栽培と同等以上の収量が得られます。
- ハローパッカなどによる鎮圧やトラクタ車輪による踏圧など、乾田直播栽培の普及拡大のネックであった漏水対策技術の開発により、復元田においても適正な減水深に保つことができるようになりました。これにより、水稲と麦・大豆などの水田輪作が容易にできます。
- このほか、本マニュアルは、乾田直播において重要となる水管理、漏水対策のほか、肥培管理、大区画化ほ場の地力ムラ対策、雑草対策等について、作業の写真や実証試験結果のデータを多く掲載し、乾田直播の技術体系をさらにわかりやすく説明しています。また、大規模経営農家に技術導入した場合の経営評価と、導入農家の評価も掲載しており、新たに技術を導入する方が理解しやすいように作成しています。
- マニュアルの入手方法:
東北農研のウェブサイトからダウンロードしてご利用ください。
http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/pamphlet/tech-pamph/030716.html
なお、冊子体をご希望の方は情報広報課へFaxまたはE-mailでお申し込みください。
Fax:019-643-3588 E-mail:
関連情報
予算:
農林水産省委託プロジェクト「担い手の育成に資するIT等を活用した新しい生産システムの開発:超低コスト土地利用型作物生産技術の開発(平成19~21年度)」
農林水産省委託プロジェクト「水田の潜在能力発揮等による農地周年有効活用技術の開発 4系 超低コスト土地利用型作物生産技術の開発(平成22~23年度)」