プレスリリース
ホモプシス根腐病解決による露地夏秋キュウリの安定生産技術の開発

- 新たなプロジェクト研究への取り組み -

情報公開日:2005年5月25日 (水曜日)

独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構(理事長三輪睿太郎、つくば市)東北農業研究センター(所長氏原和人)と岩手県農業研究センター(所長太田義信)、福島県農業試験場(場長松川裕)、秋田県立大学(学長鈴木昭憲)、(有)品川通信計装サービス(取締役社長松崎辰夫)は、農林水産省による「平成17年度先端技術を活用した農林水産研究高度化事業」において、ホモプシス根腐病解決による露地夏秋キュウリの安定生産技術の開発に関する共同研究(2005~2007年度)を開始します。

東北地域で栽培されている露地夏秋キュウリの土壌病害は、抵抗性台木の利用で回避してきましたが、近年被害の著しいホモプシス根腐病には効果がなく、緊急の対策が求められています。そこで、根域を制御して病原菌との接触を阻止する手法や、病原菌の生態的特性並びに感染・発病機構に基づく発病抑制手法の開発に着手しました。

研究内容は、ホモプシス根腐病に対する薬剤と土壌改良材等を用い、安定した効果をもつ土壌消毒技術の開発(岩手県農業研究センター、福島県農業試験場)、キュウリの根域を制御した栽培技術によって病原菌に汚染した土壌からキュウリ根を物理的に隔離する効果的な防除技術の開発(福島県農業試験場、岩手県農業研究センター、(有)品川通信計装サービス)、病原菌の生態的特性や感染発病機構の解明による伝染源の遮断技術や発病低減技術の開発(秋田県立大学、(独)東北農業研究センター)、および防除体系と蔓延防止対策のマニュアル化を目標としています。この研究によって、ホモプシス根腐病発生の回避に有効な栽培・防除体系が確立され、露地夏秋キュウリの安定生産技術の確立と農家収入の確保されるとともに、他のウリ科作物への被害拡大の抑制も期待されます。

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