プレスリリース
大豆新品種「すずかおり」

- ダイズモザイクウイルスに強い納豆用の極小粒 -

情報公開日:2004年10月 1日 (金曜日)

要約

国産の納豆用小粒大豆は堅調な需要があり、東北地域では極小粒品種「コスズ」が作付けされています。 しかし、「コスズ」は東北地方の主要な病害であるダイズモザイクウイルス抵抗性や耐倒伏性が劣ります。 そこで、ダイズモザイクウイルスに強く耐倒伏性に優れた納豆用の極小粒大豆品種を育成しました。

育成の経過と特徴・留意点

  • ダイズモザイクウイルスや倒伏に強い納豆用の極小粒品種の育成を目標に、ダイズモザイクウイルス抵抗性で耐倒伏性、 小粒、良質の「刈交778F5」に、納豆用の極小粒品種「コスズ」を交配し(図1)、選抜・固定を図り、 育成した品種です。
  • 平成16年9月30日に「すずかおり」(だいず農林127号)と命名されました。
  • ダイズモザイクウイルスに強く、A、B、CおよびDの各系統に抵抗性です(表1)。
  • 「コスズ」より短茎で耐倒伏性が優ります(写真1、表1)。
  • 成熟期は中生で、子実収量は「コスズ」並からやや多収です(表1)。
  • 子実の粒大は「コスズ」並の極小粒で、裂皮が少ない(写真2、表1、表2)。
  • 納豆は柔らかく、官能評価も良好で、納豆加工適性が優れます(写真3、表3)。
  • 最下着莢節位高は「コスズ」より低い(表1)。
  • 栽培適地は東北中南部で、山形県で認定品種として採用されました。
  • 栽培上の注意点としては、最下着莢節位高が低いためコンバイン収穫時には刈取り高さに注意する必要があります。

詳細情報

写真1 「すずかおり」の草姿

図1 「すずかおり」の系譜

表1 生育特性

表2 品質特性

表3 納豆加工適正