プレスリリース
寒じめホウレンソウの栽培マニュアルを発行

- 栽培の安定化・高度化にむけて -

情報公開日:2004年9月14日 (火曜日)

東北農業研究センターでは、野菜の生産農家の方をはじめ流通等にかかわる方々に活用していただけるように、 冬の寒さを活かした寒じめホウレンソウを安定的に生産し、高品質な生産物を得るための栽培マニュアルを作りました。

背景とねらい

東北地方北部は野菜の一大生産地でありながら、ほとんどが夏作野菜であり、冬の低温や降雪により冬に 生産される野菜は非常に少ないのが現状です。このため東北北部では、農村部においても、冬は野菜の消 費地となっています。このような中で当センターが開発した寒じめ栽培法は、10年あまりが経ちました。そこで、これまでに 蓄積されてきた試験結果と栽培現場の情報を整理し、基本技術をマニュアルの形にまとめました。

マニュアルの内容・特徴

  • 寒じめ野菜では最も生産量の多い「ホウレンソウの栽培マニュアル」です。
  • 種はいつ頃からいつまで播けるのか、種まき後の管理はどうしたらよいか、ハウスの窓を開けたあと 収穫までに注意することは何か、といった基本技術について解説しています。
  • 写真を多用し、説明文はごく短いものにして、利用者にわかりやすいものとなるよう作りました。 生産者をはじめ消費者など一般の方々にも、寒じめホウレンソウがどのように作られているかを理解してい ただけると考えています。
  • 《寒じめ栽培のこれから》 当センターでは現在、寒じめ栽培法をさらに発展させ、ホウレンソウ以外の野菜にも適用するための研究開発を、 大学・県・コンサルタント会社と共同で進めています。まだ研究は緒についたところですが、今後の研究の発展方向 については下記をご覧ください。
    http://www.naro.affrc.go.jp/tarc/contents/kanjime/index.html

詳細情報

用語の解説

寒じめ栽培法
この栽培法は、ホウレンソウやコマツナなどの寒さに強い野菜を、秋から冬にかけて無加温ハウスで栽培し、 冬の間はハウスの窓を開けて冷たい外気を入れることで、収穫物の高栄養化と収穫期間の拡大を図る技術です。 この技術で生産されたホウレンソウは、寒じめホウレンソウと呼ばれ、冬の地場野菜として消費者に好評です。