プレスリリース
高設栽培イチゴの収穫の中休み軽減技術

- 新規就農者・高齢者にも使いやすい、より効果的なイチゴ高設栽培技術により、経営改善を目指す -

情報公開日:2011年6月28日 (火曜日)

ポイント

  • 10~11 月に出荷した後 2 ヶ月間ほど「収穫の中休み」が生じるイチゴ栽培において、その期間を 30 日程度短縮できる技術を開発しました。
  • 気化熱を利用した培地の昇温抑制技術と緩効性被覆肥料の施肥法との組み合わせにより、2 番目の花房の花芽の分化・出蕾を早めることができます。
  • 本技術の導入により、これまで中休み期間となっていた 1 月中の出荷量が増加し、収益の向上が期待されます。

概要

  • 農研機構 近畿中国四国農業研究センター【所長 長峰 司】は、促成のイチゴ高設栽培における簡便で低コストな「収穫の中休み軽減技術」を開発しました。
  • 気化熱を利用した培地の昇温抑制技術と、緩効性の被覆肥料を用いたイチゴの体内窒素濃度の調節により、収穫の連続性を向上させる技術です。第 1 花房と第 2花房間の収穫の中休みを軽減するだけでなく、従来法と同程度の収量が得られることも大きな特徴です。
  • 施肥は基肥を定植前に施用するだけでよく、液肥の給液装置やそれに伴う給排液管理は不要です。
  • 既設のイチゴ高設栽培ハウスに本技術を適用する場合、資材コストは透湿防水シートが 10a あたり 15 万円程度、ランニングコストは送風のための電気料金が 10aで 1 作あたり 3 万円弱であり、低コストで本技術の導入が可能です。簡単で労力の負担も少なく、新規就農者や高齢者にも取り組みやすく、小規模経営にも適した技術です。

関連情報

  • 予算:農林水産省委託プロジェクト「農林水産分野における地球温暖化対策のための緩和及び適応技術の開発」
  • 特許:特願 2010-293564、特願 2008-327663