プレスリリース
冊子「細霧ノズル付循環扇を用いた中山間地域向け 簡易細霧冷房システムの利用法」を公開

情報公開日:2015年10月26日 (月曜日)

ポイント

  • ハウス内の高温を抑制する手段として、細霧ノズルを循環扇の送風面に配置した細霧ノズル付循環扇を用いた簡易細霧冷房システムを開発しました。
  • 夏季日中のハウス内気温を、外気温なみに低下させることができ、高温によるトマト果実収量・品質の低下を抑制できます。
  • 本システムの初期導入コストは10aあたり約70万円であり、一般的な細霧冷房装置(10aあたり約100万円~150万円)と比べて低コストで導入できます。

概要

  • 近年、夏季に高温となる年が頻発し、園芸施設の暑熱対策が重要になっています。ハウス内の高温を抑制する手段として、細霧ノズルを循環扇の送風面に配置した細霧ノズル付循環扇を用いた簡易細霧冷房システムを開発しました。本冊子では、その利用法を解説しています。
  • 開発した細霧冷房システムは、時刻、温室内の気温(乾球温度)と湿球温度をもとに細霧ノズルからの噴霧のタイミングを決め、乾湿球温度差の時間変化に応じて噴霧量(噴霧時間)を制御します。自動的に噴霧量が調整されるため、従来の方法では生じやすい「葉濡れ」による植物体への悪影響が回避されます。
  • 夏季晴天日において、日中の外気温より約6°C高くなるハウス内気温を、本システムによりほぼ外気温なみに抑制し、トマト可販収量の増加効果が認められました。
  • 本システムの初期導入コストは10aあたり約70万円であり、一般的な細霧冷房装置(10aあたり約100万円~150万円)と比べて低コストで導入できます。
  • 本冊子のファイル(PDF形式)は、下記URLからダウンロードできます。

http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/laboratory/warc/060112.html

本成果の一部は、農林水産省委託プロジェクト研究「地球温暖化が農林水産業に及ぼす影響評価と緩和及び適応技術の開発」で実施したものです。