西日本の主要なパン用小麦品種「せときらら」より子実のタンパク質含量が高く、小麦粉の生地物性が強く、製パン性に優れる小麦品種「はるみずき」を育成しました。「せときらら」より早生で、稈長は短く倒伏に強い品種です。西日本向けのパン用小麦として普及が期待されます。
概要
西日本地域では、それまでのパン用小麦品種「ニシノカオリ」や「ミナミノカオリ」に替わって、多収で製パン性に優れる「せときらら」の普及が進みました。
今回育成した「はるみずき」は、子実のタンパク質含量が「せときらら」より約1%高く、小麦粉の生地物性が強い品種です。製パン試験において、「せときらら」より作業性、および官能評価の外観、内相の評価点が高く、製パン性に優れます。また「せときらら」より成熟期が2日早い早生で、稈長が短く倒伏に強い品種です。
早生・短稈で製パン性に優れる西日本向けのパン用小麦として普及が期待されます。大分県で奨励品種に採用予定で、「ニシノカオリ」と「ミナミノカオリ」に替えて、2023年には800 haの栽培が予定されています。
関連情報
予算:運営費交付金およびイノベーション創出強化研究推進事業「実需者ニーズに応じた加工適性と栽培特性を持つ暖地・温暖地向けパン用小麦品種の開発」(28035C)
品種登録出願番号:第33494号(平成30年11月13日出願、平成31年2月13日出願公表)