刊行物
落葉果樹の溶液受粉について
- カテゴリ
- 園芸・茶
- 技術紹介パンフレット
- 技術紹介パンフレット
- 研究資料
- タイトル
- 落葉果樹の溶液受粉について
- 発行年月日
- 2009年3月10日
- 概要
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溶液受粉法は、花粉を懸濁した溶液をスプレー等で柱頭に散布することで受粉を行う方法で、受粉作業の省力化を目的として開発された技術です。
期待される効果としては、短期間に作業が集中する人工受粉作業時間が省力化できること、少量の降雨でも作業ができ天候に左右されにくいこと等が挙げられます。
落葉果樹の溶液受粉技術を開発するために、農研機構果樹研究所、愛媛県立果樹試験場、高知県農業技術センター、和歌山県農林水産総合技術センター、秋田県農林水産技術センター、松下電池工業株式会社が共同で、農林水産研究高度化事業「新規液体増量剤を利用した果樹の省力的人工受粉技術の確立」を実施しました。
この中で、溶液受粉における結実率の向上や安定化を図るために、寒天の代わりにキサンタンガムを添加して柱頭への花粉付着率を増大させた液体増量剤を開発しました 。
キウイフルーツやニホンナシ(幸水)では、顕著な効果が認められたことから、現在市販化に向けて準備を進めています。また、カキ(富有)については、薄い寒天溶液を用いて慣行受粉と同程度の結実率が得られる技術を開発しました。今後、結実の安定性についての検討が必要です。
リンゴ、モモについては、まだ結実率は十分ではありませんので、さらなる液体増量剤の改良や受粉技術の開発が必要です。また、溶液受粉用の噴霧器として、吐出量を抑えてスポット噴霧ができる試作器を開発しましたが、製品化に向けては今後検討が必要です。ここでは、入手の容易な寒天ショ糖溶液を用いたキウイフーツならびにニホンナシの溶液受粉の方法について紹介します。キサンタンガムを添加した液体増量剤については、市販化が決まり次第お知らせする予定です。 詳細については次のマニュアルをご覧ください。