農研機構 近畿中国四国農業研究センターが府県の研究機関と協力して開発した「飛ばないテントウムシ」が話題になっています。
アブラムシは様々な農作物の汁を吸う害虫です。農家ばかりでなく、家庭菜園や鉢植えの草花が被害を受けた経験がある方も多いと思います。
一方、ナミテントウは、成虫・幼虫ともにアブラムシを捕食する重要な土着天敵で、ほぼ日本全土で見られます。成虫1頭が1日に100匹ものアブラムシを食べるため、アブラムシ防除に役立ちそうですが、ビニールハウスなどに放しても、飛んで逃げてしまう問題がありました。
そこで、近畿中国四国農業研究センターでは、自然界にいるナミテントウの中から飛ぶ力の弱い個体を選抜し、交配することで「飛ばないテントウムシ」を作り出しました。「飛ばないテントウムシ」は、ビニールハウスのみならず露地でもその場に留まってアブラムシを駆除します。その有効性は各府県で実証され、現在、生物農薬として農薬登録に向けた準備段階にあります。
サイエンスカフェのお知らせ
平成24年8月25日(土曜日)、広島県福山市において、「飛ばないテントウムシ」をテーマとするサイエンスカフェが開催されます。
他のウェブサイトでの紹介
朝日新聞デジタル
朝日新聞デジタル:飛ばないテントウムシを開発 害虫アブラムシ退治のため(2012年6月24日)
農林水産省 農林水産技術会議ホームページ
飛ばないテントウムシがアブラムシ退治