我が国には豊かな旬の食べ物がありますが、これをさらに多様なものにしているのが各作物の品種です。同じ作物でも品種によって味や栄養素、栽培特性が異なります。そして我が国では非常に高品質の特徴ある品種群が作られているのです。
2月:おいCベリー |
農研機構もその一翼を担い多くの品種を育成してきました。例えば、今の季節に良く見かけるリンゴの「ふじ」。1959年に育成されたこの品種は、ジューシーで甘みが強いことに加え貯蔵性が抜群です。育成から半世紀を経た今、世界で最も多く栽培されるリンゴ品種になっています。ナシの「幸水」も同じ年に育成されました。その子供にあたる「豊水」とあわせ全国の栽培面積の約3分の2を占めます。果物のようには品種名を憶えてもらえませんが、大豆の「フクユタカ」、サツマイモの「ベニアズマ」なども全国で最も生産が多い品種です。新しい品種が各地域で生産されるためには、種苗の増殖や栽培技術の確立が必要であり、これらの農研機構発の品種も育成から年月をかけてお馴染みの品種になりました。 最近育成された注目の品種を幾つかご紹介しましょう。小麦「ゆめちから」はグルテンを多く含む北海道向けの品種です。従来の国産品種とブレンドして純国産の高品質パンが作れます。 |
3月:せとか |
米「にこまる」は、高温年でも品質や収量が安定し地球温暖化に適応した品種として売り出しましたが、多くの食味コンクールで入賞できる高い品質も持っています。サツマイモ「べにはるか」は麦芽糖を多く含み、上品な甘さが特徴です。7粒で1日分のビタミンC摂取基準量(100mg)を摂れる「おいCベリー」、外観が美しく甘いカンキツ「せとか」、皮ごと食べられるマスカットぶどう「シャインマスカット」、渋皮が剥けやすい栗「ぽろたん」などはギフトにも最適です。 これら注目の農研機構育成品種で「農研機構お勧め品種カレンダー2014」を作りました。お手元に置いて、それぞれの品種が出回る時期には是非ご賞味下さい。(一年中入手できるものもあります。) 今年の干支は午(馬)。農研機構の品種が走り出します。 |
7月:ゆめちから |
11月:べにはるか |