果wF04:JAならけん西吉野柿部会ほか(奈良県五條市)


実証参加教育機関
五條市立西吉野農業高等学校
奈良県立なら食と農の魅力創造国際大学校
実証課題名
センシング技術に基づく自動選果による大規模柿産地の選果作業の省人化
経営概要
613ha(カキ)うち実証面積:渋柿3.3ha、甘柿4.3ha

導入技

①AI搭載型全周(6画面)計測対応外観センサー


全周計測により従来型のルールベース画像処理とディープラーニングを用いたAI(人工知能処理)を組み合わせ、色・キズ・形状、さらに病害果の判定やヘタ面のキズ計測が可能

  • ①熟練雇用作業員による選別作業の省人効果 慣行の48名を8名に、8割以上削減
  • ②選果機の選果農両区を20%向上
  • ③自動選果の精度が人手による選果作業と同等

実証成果の概要

  • 下面計測部を追加した6画面の全周計測対応外観センサーにより、柿果実の表裏を揃えることなくランダム供給による選果運用ができることが確認された。
  • 蓄積した画像データの教師付けを行い柿選果(簡易)AIモデルを構築し、従来のルールベース画像処理では認識が極めて困難な「カイガラムシ」「チャノキイロアザミウマ}「カメムシ」などの被害果が検出でき、AIを用いた外観センサーの有効性が確認された。

導入技術の効果

6画面全周計測対応外観センサー

  • 同じ果実をヘタ下、ヘタ上で流しても計測値、選別結果が同等になることが確認され、選果レーン手間で柿果実の裏表を揃える作業がおおむね省略されることが可能になり、1レーン(両側)あたりの作業員は12名から2名~4名に削減できる目処がついた。

※令和3年3月時点


選果能力

  • 6画面全周計測対応外観センサーの導入で、選果レーン手前で果実のヘタ部を目視してヘタ部を下向けにすることと等級ごとの並べ替え作業を概ね省略できる目処がついたため、これまでよりも柿を流すスピードを速くすることが可能になる。
  • 1時間あたりの選果量20%増(参考:出荷最盛期選果量11,000コンテナ/日) 900コンテナ/時間 ⇒ 1,100コンテナ/時間
  • 計算上、選果員が柿を目視する作業、手触りする作業が削除できるので、従来と比較すると作業量が1/5になる。作業時間も概ね1/5になると仮定すると、1時間あたり4ラインで1,100コンテナの処理が可能になる。これまでは、4ラインで900コンテナ(設計上は1時間当たり4ラインで1,200コンテナ)しか処理できていなかった。

    ※令和3年3月時点

人材育成の効果(参加した学生の声)

  • 農業高校と農業大学校の学生35名が、柿自動選果作業の流れを理解したほか、講義を通じ、栽培でも慢性的に人手不足が続いていることを認識した。
  • スマート農業技術を実機に導入した場合のコストについて質問が多かった。また、AIによる画像解析のしくみについて知りたいという意見もあった。

今後の課題・展望

  • 選果制度を向上させるために、病傷害果のサンプル画像をさらに蓄積する。
  • 蓄積した画像データの解析を進め、選果精度の向上と検査項目の拡充(打ち身・奇形・アザミウマなど)し、柿選果AIモデルを構築する。
問い合わせ先

奈良県 農業協同組合本店 営農販売部営農販売課

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キーワード

選果機等、かき