みどりの技術カタログ

イネウンカAI自動カウントシステム

その他
(労働生産性)
作目水稲
技術の概要

イネ害虫の発生調査において、調査用粘着板の画像からイネウンカ類を自動認識するAIを開発した。ウンカ類を90%以上の精度で認識・自動カウントすることで、目視では粘着板1枚当たり1時間以上かかることもある調査時間を、5分程度に短縮できる。害虫の的確な防除や被害発生の予測に必要な調査を大幅に軽労化できる。

効果

害虫の専門家の分類を学習し高い精度を実現

水田で叩き落した粘着板上の虫の画像データ(3万匹以上)を農研機構の害虫の専門家が目視で18分類した。これをAIに学習させたことにより、全体の平均で90%以上、被害の大きいトビイロウンカでは95%以上の認識精度を実現した。

作業時間は1枚当たり5分程度

スキャナによる粘着板の画像化に4分程度かかる。その後、GPU搭載パソコン上でAIを内蔵したソフトウェアによる認識は1分以内で、合計作業時間は5分程度である。

導入の留意点
  • 粘着板作成、画像化は標準作業手順書に従うこと

    粘着板画像を常に一定した条件で得るための手順が記述されているため、必ず遵守すること。

  • 高速処理にはGPU搭載パソコンが必要

    深層学習を利用しているため高速処理にはNvidia製GPUが必要である。GPUが無いと認識に15分以上かかる。

  • ソフトウェア導入には農研機構の許諾が必要
その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

改良・普及状況

九州内での試用のほか、山口県、奈良県でも試用中

関連情報

イネウンカ類の発生調査における粘着板捕獲サンプルを対象としたAI自動カウントシステム標準作業手順書
2022秋 農研機構オンライン一般公開生配信の「列島リレー」コーナー(1:58:25~2:04:03)

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