みどりの技術カタログ

有機農業実践現場の研究事例に基づく安定栽培マニュアル

有機農業
作目水稲、小麦、野菜
技術の概要

新規就農希望者のうち約3割が有機農業への取り組みを希望している。そのため、有機農業への新規参入者が、生産を早期に安定化させ、その状態を維持できる技術の開発と普及が望まれている。既に「水稲の有機栽培技術マニュアル」が刊行されているが、有機農業栽培体系は多様であり、作目ごとの詳しい情報の提供、わかりやすい栽培マニュアルが求められている。 そこで、本マニュアルでは、暖地の水田二毛作体系、ホウレンソウの施設栽培体系および高冷地露地レタス栽培体系等を対象に、雑草防除や病害虫防除技術をはじめとする栽培管理法を開発した成果を紹介している。

効果

暖地の水田二毛作体系

小麦葉齢を指標とする機械除草を導入した麦作や冬作野菜栽培により有機水田を高度活用することで、高い農業所得を確保できる。

ホウレンソウの施設栽培体系

カラシナやダイコン残渣をすき込み、土壌を還元化する生物的土壌消毒による萎凋病の防除技術や、生物的土壌消毒実施後のホウレンソウケナガコナダニ対策を導入することで、収量と販売額が慣行栽培と同等になる。

高冷地露地レタス栽培体系

輪作と品種選定、不織布浮きがけ栽培等基本技術を組み合わせた安定生産技術の導入により、慣行栽培より高い農業所得を確保することが可能である。

導入の留意点
  • 導入に際しては有識者から助言を得ること

    地域によって気象や土壌条件が異なるため、本技術を導入するにあたって、地域で有機農業を営む先進的生産者や普及指導機関等から助言を得る必要がある。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

研究開発・改良

水稲の慣行栽培育苗土に比べ、有機栽培育苗土の方が 病害抑制効果が高いことなども明らかになった。

適応地域

九州北部平坦地二毛作、施設ホウレンソウ作、高冷地 露地レタスを主体に有機農業に取り組む地域。

関連情報

・有機農業の栽培マニュアル 実践現場における事例と 研究成果 第3版((国研)農研機構(2019年))

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