みどりの技術カタログ

高能率水田用除草機を活用した水稲有機栽培体系

有機農業
作目水稲
技術の概要

高能率水田用除草機は、除草剤を使用しない有機栽培での雑草対策の中核となる除草専用機である。本機は、3輪型乗用管理機の車体中央に、条間が駆動ローター式、株間が搖動ツース式の除草部を搭載している。除草作業中に運転席から稲列が確認しやすく、10a当たりの作業時間は20分~30分である。 高能率水田用除草機による除草作業を適期に行い、深水管理などの耕種的な雑草防除技術を組み合わせることで高い除草効果が得られる。これに加えて、いもち病や縞葉枯病などの抵抗性品種の利用、中~成苗の育成、適切な水管理、病害虫対策などにより、省力的で安定した収量が得られる有機栽培が可能である。

効果

80%以上の雑草を除去可能

高能率水田用除草機による2回~3回の除草作業と耕種的な雑草防除技術などの組み合わせにより、80%以上の雑草が除去できる。

収量は慣行栽培の9割程度

3年間の現地試験の結果から、本有機栽培体系の導入により慣行栽培の約9割の玄米収量を得られることが示されている。生産コストは、慣行栽培の1.3倍程度となる。

導入の留意点
  • 稲株などの残渣が多いと欠株が増加する

    前年の稲株などが残っていると、作業時に除草爪に絡み欠株が多くなる。秋耕などにより分解を促進させる。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

価格帯(高能率水田用除草機)

217万円~266万円(税込み)

普及の状況

2020年度末までに300台以上が普及

適応地域

概ね10a以上で地耐力が高い定型圃場(全国)

関連情報

・高能率水田用除草機を活用した水稲有機栽培の手引き(農研機構 中央農業研究センター(令和2年))

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