みどりの技術カタログ

健全種苗の確保に寄与するサツマイモ種イモの蒸熱消毒

農薬
有機農業
作目サツマイモ
技術の概要

サツマイモ基腐病は病原菌に感染した種イモを介して苗に感染し、その苗を植え付けることで本ぽで発病・まん延する。種イモに対して相対湿度95%での蒸熱処理(順化工程と48°C100分の消毒工程)を行うことで萌芽数を維持しながら種イモを消毒することができ、本ぽへの同病の持込みを防ぐことができる。

効果

化学農薬不使用で高い消毒効果

基腐病菌を人工接種した種イモに対して48°C定温で100分の蒸熱処理を行った場合、93.2~98.1%(95%信頼区間)の確率で消毒できる。化学農薬不使用のため有機栽培でも利用することがきる。

実証苗床でも基腐病の発病を抑制

生産者が採取した種イモに対して蒸熱処理を行ったところ、苗床での基腐病の発生が蒸熱処理をしなかった場合の6.69%と比べて0.25%に抑制された(右上図)。

導入の留意点
  • 外観が健全な種イモが対象

    目視で発病が分かる種イモはあらかじめ省いておく。

  • 精密な温湿度管理が必要

    消毒効果の低下や萌芽不良を防ぐため、蒸熱処理装置は精密な温湿度管理ができるものを使用する。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

価格帯

~1千万円/台

普及状況

13台導入(三州産業機)

適応地域

鹿児島県、宮崎県のサツマイモ栽培地域。他地域でも蒸熱処理装置の導入により適用可能

(三州産業HP)

関連情報

・サツマイモ基腐病に対する蒸熱処理による種イモ消毒技術標準作業手順書

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