みどりの技術カタログ

「みちしずく」の導入による安定生産と農薬の削減(サツマイモ基腐病に抵抗性のある焼酎・でん粉原料用カンショ)

農薬
作目サツマイモ
技術の概要

南九州ではサツマイモ基腐病(以下、基腐病)の発生により、焼酎原料用の主力品種「コガネセンガン」が甚大な被害を受け、焼酎原料の安定供給に多大な支障が生じている。 焼酎・でん粉原料用カンショ「みちしずく」は、「コガネセンガン」よりも、基腐病に強く、防除対策のための農薬使用量の削減が期待できる。また、いもの収量は2割ほど多く、焼酎にした時の酒質は「コガネセンガン」の焼酎に似ている。さらに、でん粉歩留が高く、でん粉原料用の主力品種「シロユタカ」よりも、でん粉収量が2~3割ほど多く、でん粉の白度も高いため、でん粉原料用としても優れている。

効果

基腐病発生圃場に導入可能

基腐病にやや強い抵抗性を有するため、基腐病が発生した圃場であっても、「みちしずく」の導入と基腐病の基本対策(健全種苗の生産、排水対策、残渣処理など)の実施により、基腐病による被害を低減させることができる。

焼酎・でん粉原料の安定供給に寄与

基腐病、線虫、立枯病に強く、多収であるため、防除対策のための農薬使用量の削減や原料いもの安定供給が期待できる。

導入の留意点
  • 生育後期には基腐病被害発生の可能性 在圃期間が長くなると発病株が増えてくるため、早期 収穫を心掛ける必要がある。
その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

改良・普及の状況

鹿児島県では、焼酎・でん粉原料用の奨励品種に採用されており、2022年より鹿児島県および宮崎県で種いも生産が開始されている。

関連情報

1 2022年農業技術10大ニュース「新たな道を切り開く「みちしずく」」
2 サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策 (令和4年度版)

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