みどりの技術カタログ

地温情報を組み入れた畝立後太陽熱土壌消毒「陽熱プラス」

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技術の概要

太陽熱土壌消毒(従来型)は、地表をフィルムで被覆し、太陽エネルギーで地温を高め、土壌中の病害虫の発生を抑制する、臭化メチル代替技術のひとつ。従来型の作業手順を見直し、消毒処理後の土壌混和を防ぐことで防除効果を高めた畝立後消毒を基に、病害虫対策はもちろんのこと、消毒効果や養分供給効果の見える化、生物相への影響評価を組み入れた圃場管理を実現する技術「陽熱プラス」を開発した。

効果

地温の計測と消毒効果

太陽熱土壌消毒期間の積算地温を現場で計測し、消毒効果を判断する(地温計を設置できない場合は近隣のアメダスデータ等を用いて可能な範囲で推定)。

畝立後消毒では、消毒前に施肥する必要があることから、太陽熱消毒の高地温条件が、施用した有機質資材・肥料、肥効調節型肥料の分解に及ぼす影響を評価した。

また、積算地温を目安とする判断根拠を設定することで、土壌病原菌の消毒効果だけでなく、土壌からの窒素無機化量の変動を評価できることを示した。

導入の留意点
  • 汚染土壌の混入を避ける管理作業を徹底

    消毒処理後は土を動かさないようにするとともに、消毒効果が劣るとされるハウス内の外周部をきれいに整地する。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

普及の状況

宮崎県等西南暖地で太陽熱土壌消毒を実施する施設園芸生産地帯(111ha)、和歌山県南部地域等実エンドウの省力化栽培を目指す地域 (5ha)等

適応地域

消毒に必要な地温が確保可能な西南暖地が主体

関連情報

・陽熱プラス実践マニュアル((国研)農研機構 中央農業研究センター(平成27年))

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