みどりの技術カタログ

散水設備を持つ段差のある圃場への拍動灌水システムの導入方法

その他
(労働生産性)
作目野菜・果樹(露地)
技術の概要

散水設備を使用している棚田跡地などの段差のある圃場では、区画ごとにバルブの開閉で順次灌水を行う必要があり、この労力の軽減が求められている。また、従来の散水管による灌水では畝間にぬかるみが生じる場合がある。 本技術は段差のある圃場の散水設備を活かし、タンクに一定量の水がたまると灌水が行われる拍動灌水装置を利用した自動点滴かんがいシステムである。

効果

灌水の自動化による省力化

18a規模で、灌水作業の労働時間を年間約50時間削減した事例がある。特に、夏期の繁忙期の労力分散が図られ、管理作業の徹底による品質・収量の向上が期待できる。

点滴灌水の利用による減肥

点滴灌水では散水灌水や畝間灌水に比べて一般に肥料の利用効率が高く、減肥が可能。

導入の留意点
  • 場所に応じた設置条件の検討

    規模、地形、水源、水圧、電源や既存の配管の有無などによって設置方法が異なる。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

価格帯・段が4段、総圃場面積18aで設置した事例での導入費用は約60万円。システム稼働に商用電力のコストは不要。使い捨てチューブを使用する場合は毎年交換経費が必要。

適用地域

全国(寒冷地では冬季には撤去・保管する)

関連情報

・"減肥を目指した"露地栽培への点滴かん水導入の手引き ((国研)農研機構 近畿中国四国農業研究センター、 岩手県農業研究センター(平成26年))

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