みどりの技術カタログ

野菜用高速局所施肥機

肥料
その他
(労働生産性)
作目キャベツ等
技術の概要

畝内の上層と下層の二段に筋状に肥料を落とす二段局所施肥を行うことができる畝立て同時施肥機である。従来の局所施肥技術の、生育障害を起こしやすいというデメリットを抑え、高い肥料の利用率というメリットを最大限活かすことのできる技術であり、施肥量の削減が期待できる。 二段局所施肥は、ロータリーではなく前後二列に配置されたリッジャ(いわゆる培土器で、溝を作ったり土を寄せるための爪)を用いることで実現された技術である。 また、上記リッジャにより土壌のかき分け、施肥、かき寄せを連続して行うため、土壌全体を撹拌するロータリー方式と比較し作業速度が最大2倍以上にまで高められている。

効果

高い肥料の利用率で施肥量を3割削減

上層と下層の二段に局所施肥を行うことから、生育ステージに合わせた効率の良い養分の供給を行えるため、肥沃な土壌では施肥量を慣行比3割削減することができる。

リッジャを利用した最高1.4m/sの高速畝立作業

リッジャを利用することで、ロータリー方式の畝立機では実現不可能な最高速度1.4m/s(5km/h)で畝立施肥作業を行うことができる。

GNSS等を利用した高精度な肥料の繰り出し

導入の留意点
  • 減肥栽培は土壌分析を踏まえて行うことが必要

    減肥の効果は土壌や栽培条件によって異なるため、減肥栽培を行う場合は事前に土壌分析等により養分収支の計算を行い、土壌の特性に見合った施肥量とする必要。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

本機は上田農機(株)から、主に嬬恋村等夏秋キャベツ産地向けに「ボビンローラー三兼3連ソワー」、また(株)タイショーより全国の野菜産地向けに「畝立同時施肥機グランビスタKUTシリーズ」の名称で条間45cm仕様、条間60cm仕様の2型式が販売されている。希望小売価格は全型式ともに198万円(税別)。

関連情報

野菜用の高速局所施肥機の開発(農研機構技報 No.2, p.14-17. )

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