みどりの技術カタログ

タマネギ直播栽培における直下施肥を用いたリン酸肥料の減肥技術

肥料
作目タマネギ(直播栽培)
技術の概要

タマネギ直播栽培において、種子の直下へリン酸施肥を行うことで、減収することなく、基肥のリン酸施用量を約30%削減することが可能となる。直下施肥により、減肥しても効果的に肥料成分の吸収が可能となり、初期生育が促進される。なお、 減肥+直下施肥では、肥大開始や倒伏が早まり収量が安定する。 方法は、基肥リン酸量の1/3~1/4(リン酸成分量で約10kg/10aの過リン酸石灰)を、コート種子直下約2~4cm(幅3~4cm)へ局所施用する。残りの基肥(2/3~3/4のリン酸、窒素及びカリウム)は、全層施用する。

効果

基肥のリン酸施用量を約30%削減、肥料コストを抑制

・減肥により生育や肥大開始が遅れて減収することが 多いが、直下施肥を行うことで収量は慣行施肥と同等となる。

リン酸肥沃度が低い火山性土などで効果的

・リン酸肥沃度が低い圃場でも直播栽培が可能となり、作付面積の増加、国内産シェアの拡大に寄与する。

導入の留意点
  • 種子と肥料の接触は収量減の可能性

    種子と肥料が接触する条件では、リン酸施用量が増えるにつれて出芽が遅延するため、施肥は種子の下方2cm以上のギャップを設けて肥料と種子が接触しないように留意する。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

価格帯・平床仕様 (施肥播種機)

約130万円・畦立て仕様(施肥播種機)

約158万円~179万円*平床仕様は火山性土壌で効果が高い

普及の状況

平床仕様は2015年から、畦立て仕様は2021年から市販

関連情報

1タマネギ直播栽培における直下施肥を用いた リン酸肥料の減肥技術(最新農業技術・品種 2018(平成30年))
2畑作地帯における加工・業務用たまねぎの 直播栽培指針(北海道農政部(令和2年))
3福島県を中心とした被災地域における営農再開に向けたタマネギの新たな栽培技術(福島県農業総合研究センター(令和3年))

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