みどりの技術カタログ

温水を用いた果樹白紋羽病の治療技術

農薬
有機農業
作目果樹(リンゴ、ナシ、ブドウ、ビワ、オウトウ、モモ)
技術の概要

白紋羽病は、ナシやリンゴなど果樹類の根を腐敗させる難防除糸状菌病である。白紋羽病菌は温度耐性が低いため温水処理により菌糸を死滅させる防除技術を構築した。 果樹園の立木に地表面から温水を処理できるよう、温水処理機と点滴チューブを実用化した。樹体に悪影響を与えない温水処理条件を明らかにした。また、簡易な早期診断法により、処理すべき対象樹を適切に選ぶ方法も示している。

効果

温水を点滴処理することで、白紋羽病菌を殺菌

温水※を地表面から点滴処理し、目安となる温度条件に到達した時点で処理を終了すると、長時間に渡って地温が35°C以上に維持され、樹に障害を及ぼすことなく白紋羽病菌が殺菌される※ 50°C(ナシ、リンゴ、ブドウ)、45°C(ビワ、オウトウ、モモ)。

白紋羽病発症樹の樹勢が回復

高温水※※を用いた発病跡地の消毒も可能

※※60°Cを推奨(ホースの劣化予防、有用土壌微生物への影響を考慮)。

導入の留意点
  • 軽症樹への処理が基本

    重症樹への処理⇒樹勢回復が困難で枯死する場合がある

  • 目標地温の確保は厳密に

    条件を超えた場合⇒高温障害が発生

    条件に満たない場合⇒効果不十分

  • 残効がないため、再発への留意が必要

    処理範囲外からの病原菌の再侵入など、再発の可能性があるため、状況に応じて再処理が必要。早期診断の継続や土壌微生物叢の活性化も有効

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

専用の処理機

専用の温水点滴処理機(EB-1000 エムケー精工(株))が日本園芸農業協同組合連合会を通じて販売。

改良・普及の状況

これまで長野県等25県余で実施実績あり

適応地域

全国の果樹栽培地域

関連情報

「白紋羽病温水治療マニュアル」・「同」Q & A・「同」速報版

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