みどりの技術カタログ

カキのわい性台木に利用できるカキ新品種「豊楽台」

農薬
その他
(労働生産性)
作目カキ
技術の概要

カキの台木は共台(カキの実生台木)を利用しているが、樹高が高くなりやすいため、脚立を使用した高所作業が多くなり、作業性や安全性に問題がある。また、共台は挿し木等による栄養繁殖ができないため、種子繁殖による形質のばらつきが問題である。そこで、挿し木繁殖性に優れ、省力性・生産性が高いわい性台木「豊楽台」を育成した。

効果

樹の大きさが共台の4割で化学農薬使用量を削減

共台接ぎ木樹より樹高が低く、樹の容積も半分以下となるため、化学農薬使用量の約2割の削減が見込まれる。また、高所作業も少なくなり、省力化や労働災害軽減にも貢献できる。

徒長枝の発生が少なく、生産性が向上

「豊楽台」接ぎ木樹は、徒長枝の発生が約7割少なくなるため果実の生産性が向上する。

挿し木で容易にクローン苗を増殖可能

緑枝挿し木(新梢を挿し穂に利用)で容易に繁殖できる。

導入の留意点
  • 樹勢の弱いカキ品種での検証が必要

    わい性台木のため、樹勢の弱い品種では樹勢がより低下する可能性があり、導入時に検証が必要である。

  • 挿し木に発根促進剤とミスト処理が必要

    挿し木には、発根促進剤の浸漬処理とその後のミスト処理が必要である。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

適応地域

全国のカキ産地

導入方法

利用許諾契約を締結している事業者より購入

関連情報

・Tree growth, productivity, and fruit quality of 'Fuyu' persimmon trees onto different dwarfing rootstocks (2022) Scientia Horticulturae
・令和3年度農研機構普及成果情報
・カキわい性台木「豊楽台」(標準作業手順書(SOP))

▲ このページのトップへ