みどりの技術カタログ

温暖化によるニホンナシの発芽不良対策技術(窒素施肥時期の変更による対策)

肥料
その他
(気候変動の対応)
作目ニホンナシ
技術の概要

九州各県で増加しているニホンナシ花芽の枯死による発芽不良の主要因が、凍害であることを明らかにした。さらに、秋冬季の花芽中の窒素含量が高いと凍害を受けやすくなることから、窒素肥料や堆肥の散布時期を春に変更したところ、耐凍性が上昇し、発芽不良の発生が少なくなることを明らかにした。

効果

肥料や堆肥の春散布により発芽不良大幅発生減

毎年のように発芽不良が発生している園において、窒素を含む肥料や堆肥の散布時期を春に変えたところ、秋や冬に散布した樹に比べて、耐凍性が高くなり、発芽不良の発生が1/3程度まで減少することを明らかにした。

生産者の負担が少なくすぐに取り組むことが可能

本技術は、窒素を含む肥料や堆肥の散布時期を変えるだけなので、金銭的負担は増えず、すぐに生産者が取り組むことができる。

導入の留意点
  • 春に移行した場合の肥料や堆肥の散布量について

    樹体が吸収しない冬季の溶出分も勘案すると窒素換算で10aあたり10kg程度の施用(慣行秋冬季施用量の半分程度)を行うのが良いと考えられる。今後、現地実証試験を実施して検討する必要がある。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

価格帯

本技術は、窒素を含む肥料や堆肥の散布時期を変えるだけなので、導入コストはゼロ。

普及の状況

鹿児島県等11県で導入推進中

適応地域

発芽不良が発生している全国のニホンナシ産地

関連情報

ニホンナシ発芽不良対策マニュアル

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