みどりの技術カタログ

高温でも容易に着色する極大粒の黒色ブドウ品種「グロースクローネ」

その他
(気候変動の対応)
作目ブドウ
技術の概要

わが国で栽培されている大粒ブドウは「巨峰」や「ピオーネ」など、果皮が紫黒色の品種が中心であるが、地球温暖化による果実成熟期の高温の影響により、着色不良が多発している。着色不良果は商品性が著しく低下するため、生産現場では深刻な問題になっている。そこで、「巨峰」や「ピオーネ」よりも着色が優れる極大粒品種を育成した。 本品種の収穫期は「巨峰」や「ピオーネ」と同時期であり、果皮のはく皮、果肉特性、果肉硬度も同程度である。 香気は「フォクシー」、日持ちは「巨峰」、「ピオーネ」並み。ジベレリン2回処理で種なし栽培が可能。省力的な短梢剪定による栽培が可能である。

効果

「巨峰」「ピオーネ」よりも安定した良着色果

収量を「巨峰」並みとし、450g~500gの房作りを行うと、「巨峰」や「ピオーネ」よりも安定して良着色果が得られる。

極大粒で良食味

ジベレリン処理果の果粒重は20g程度となり、「巨峰」や「ピオーネ」より大きい。糖度は19.0%と「巨峰」や「ピオーネ」と同程度に高く、酸含量は0.4g/100mlで「巨峰」より低く良食味である。

導入の留意点
  • 若木では花振い性が強く、年により裂果が発生

    樹齢が進むと花振いは軽減される。裂果を防ぐため、成熟期後半の水分管理に留意し、極端な乾湿の変動を避ける。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

価格帯

苗木1本あたり2,000円~ 3,000円

改良・普及の状況

2019年~2022年で苗木8,687本販売

適応地域

「巨峰」や「ピオーネ」の着色不良が生じやすい西南暖地

関連情報

・高温でも容易に着色する極大粒のブドウ新品種 「グロースクローネ」((国研)農研機構 果樹茶業研究部門(令和3年))

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