みどりの技術カタログ

害虫忌避剤プロヒドロジャスモン

農薬
作目野菜・花き
技術の概要

プロヒドロジャスモン(PDJ)は、これまで植物成長調整剤として使用されてきたが、令和3年3月にトマト・ミニトマトのアザミウマ類に対する害虫忌避剤として登録認可を取得した。本剤は、植物の害虫抵抗性を誘導することにより、害虫を作物から忌避させる作用を持つ。害虫の薬剤感受性の低下が生じにくく、農産物の安定した生産・供給に大きく貢献する。 害虫アザミウマの密度および食害、さらには植物ウイルスの媒介を抑制することにより、被害を軽減可能である。さらに多くの作物や害虫類に適用できることが見込まれており、普及の拡大が期待される。

効果

PDJを処理した植物の害虫密度や食害を低減

PDJ処理により、作物上の害虫密度および食害が低減する。本剤のリスク換算係数は最も低いレベルであり、化学農薬使用量の低減に大きく貢献する。

PDJを処理した植物のウイルス感染リスクを低減

PDJ処理した植物では、害虫の密度および食害が抑制されることにより、当該害虫によって媒介されるトマト黄化えそウイルス(TSWV)などの感染リスクが低下する。

導入の留意点
  • 作物ごとに処理方法を検討する

    植物の害虫抵抗性を誘導する剤であることから、作物の種類等によって処理方法を検討する必要がある。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

価格帯(商品名「ジャスモメート液剤」)

4,400円前後(500mL)500倍希釈、100~300L/10a

農薬登録

今後、ナス科果菜類、イチゴ、キクなどにも農薬登録(適用拡大)を申請する予定

関連情報

・農薬情報(三井化学クロップ&ライフソリューション(株))

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