みどりの技術カタログ

合成超音波によるチョウ目害虫の被害低減技術

農薬
有機農業
作目施設園芸、露地野菜(ネギ、レタスなど)、畑作物(トウモロコシなど)、果樹(モモなど)
技術の概要

ヤガ類は夜間にほ場へ飛来・産卵し、孵化した幼虫が被害をおよぼす。多くの場合、殺虫剤の散布で防除してきたが、生産者の労働負荷等の課題があり、殺虫剤による受粉昆虫を含む生態系への悪影響も懸念される。そこで、ヤガ類が天敵であるコウモリの発する超音波から逃避する習性を利用し、合成超音波により飛来を抑制する技術を開発した。

効果

ヤガ類の飛来を抑え、幼虫の被害を93%削減

葉ネギの露地栽培ほ場における防除試験(秋季)では、 シロイチモジヨトウによる被害株率を慣行栽培ほ場との 比較で平均93.4%削減。

殺虫剤の散布回数を大幅削減

ハスモンヨトウに対する殺虫剤散布回数を75%削減、 シロイチモジヨトウに対する殺虫剤散布回数を89%削減。

果実の吸ガ類でも被害低減効果を確認

導入の留意点
  • 耳を持たない害虫種には効果を奏さない

    モンシロチョウやコナガ、ハマキガ類のほか、アザミウマ類やアブラムシ類、ハダニ類には防除効果を確認できていない。

その他(価格帯,改良・普及状況,適応地域)

初期費用

約42万円(受注販売価格)(装置1台+超音波スピーカ1台; 別途ケーブル代が必要)

月額電気代

約100円/台(24時間稼働の場合)

一般の100V電源またはソーラーパネル等を組合せたDCバッテリーを使用できる場所で利用可能

関連情報

超音波を利用した新たな物理的防除技術(国研)農研機構 (農研機構技報No.8(2021))

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